8月9日 177日目 /1000日「断絶の時代」


本日は、ドラッカーの本をご紹介します。
志ある首長さんや地方議員のみなさんと
いっしょに読みたい本です。

(以下、転載)
第1章 継続の時代の終わり より

今日の産業のほとんどは第一次大戦以前の半世紀になされた発明発見の延長線上にある。この継続性はその後の産業構造に安定をもたらした。19世紀の発明は、ほとんど一夜にして大企業を生んだ。それらのものは、今日にいたるも大産業であり大企業である。
ヴィクトリア朝の世界と、新左翼、ヒッピー、抽象芸術、文化大革命、核拡散、水爆、月探査の世界との差は、前者と古代の民族移動の世界との差よりも大きいかに見える。しかし、経済、経済地図、産業構造、技術に関しては、現代はヴィクトリア朝の延長線上にある。この半世紀は継続の時代だった。17世紀の後半に貿易と農業が重要な存在となって以来の最も変化のない時代だった。この継続の時代に先進国では経済発展が見られた。だがそれは、われわれの祖父や曽祖父の時代に敷かれたレールに沿ったものだった。
驚くべきことは、彼らの偉業が実を結ぶのに半世紀を要したことにあるのではない。逆に、あの1900年の世代が築いてくれた基盤が、この半世紀の不正と愚行と暴力を乗り越えて経済を発展させたことにある。
今日の先進国の大量消費社会、その生産力と技術力は、ヴィクトリア朝の基盤の上に当時の建築ブロックをそのまま使ってつくられた。つまるところ、それらのものはヴィクトリア朝の経済と技術の成果であって、当時のヴィジョンの実現に過ぎなかった。
しかし、いまや経済も技術も断絶の時代に入った。われわれは、この時代を偉大な発展の時代にすることができる。ここ明らかなことは、技術、産業構造、ガバナンス(統治)、マネジメント、経済政策、経済理論、経済問題のすべてが、断絶の時代に入ったということである。偉大な19世紀の建造物の完成に精を出している間に、まさにその土台そのものが変化を始めたのである。


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