【11月27日 ひろまる日記 反ファシズム陣営の幻想】


「経済人の終わり」は、
ドラッカーのいわゆる初期3部作と言われるうちの
最初の作品であり、1939年(昭和14年)に刊行されている。
ヒトラーが政権を握った1933年に書き始め、
まだ、西ヨーロッパが対独宥和を模索している1939年に
刊行されたのだ。

まえがきに、
「本書には明確な政治目的がある」と書いているように
ファシズム全体主義に対抗し、
「自由を守る意志を固める」ために書かれた。

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第一章は「反ファシズム陣営の幻想」である。
ここで、ファシズム全体主義の本質を
理解するために
3点の間違った説をあげながら
自身が、オーストリアやドイツで観察してきたことをもとに、
ファシズム全体主義の特徴を説明している。

今日はそのなかの1つ、「プロパガンダ説」から引用したい。
もちろん、
今の日本国内の状況と
ドイツの状況は同じではもちろんないが、
私たちが今向かうべきは何か、
示唆に富んでいると思う。

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(以下、引用)

「…プロパガンダが改宗せることのできるのは
一足先にそれを信じるにいたっている者だけである。
プロパガンダが関心を引くのは、
すでにそのためのニーズを持っている者だけである。
あるいは取り除くべき恐怖を持っている者だけである。
このことは昔もいまも変わらない。
プロパガンダの成功は症状の存在を示すにすぎない。
プロパガンダは原因とはなりえない。
同じように、
逆のプロパガンダも症状の治療にはつながらない。」

「旧秩序は崩壊したが新秩序は生まれていない。
その結果は混沌である。
絶望した大衆は不可能を可能とする魔術師にすがる。
労働者に自由を与えつつ、
産業家に工場の主導権を回復させ、
小麦の価格を上げつつパンの価格を下げ、
平和をもたらしつつ戦争に勝利をし、
1人ひとりの人間にとってすべてとなり、
あらゆる人間にとってあらゆるものとなることを
約束する魔法使いにすがる。
。。。。。。。
大衆の絶望こそファシズム全体主義を
理解するうえでの鍵である。」

(以上、引用終わり)

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「経済人の終わり」を書いた後、
1942年に「産業人の未来」
1946年に「企業とは何か」
を刊行する。

ドラッカー教授は
第一次世界大戦、
大恐慌、
ヒトラーの台頭から、
第二次世界大戦にいたる社会のありようを
一貫して観察し、
個人と組織と社会の関係について
体系的にまとめ
二度とあのような専横が許されないために
「マネジメント」を世に出した。

私には何ができるのか。
反対や、批判だけをしている時間は
残されていない。
新しい秩序を
新しい価値を
生み出すことが、
少なくとも、リベラルと言われる側に身を置いてきた
私の責任だと思っている。


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