【活動報告】 9月6日 水産林務常任委員会質疑


水産林務委員会 質問原稿
※答弁は後日、「開催状況結果」ができ次第、アップします。

北海道においては、本年3月に、新たな条例に「森林資源の循環利用の推進」「林業事業体の育成」「地域材の利用促進」「木育の推進」が追加され、中央政府の森林・林業基本計画においては、「資源の循環利用による林業の成長産業化」などが新たに計画に位置づけられたと承知をしている。
今回の計画の見直しにおいては「森林資源の循環利用」と「木育の推進」という2つの大きな柱だてに基づき施策が展開される旨、方向性が示されていると承知していますが、以下、順次、伺って参ります。
1  森林資源の循環利用の促進のための施策展開の方向について
(1) 計画における森林認証の位置づけについて
私としては、森林資源の循環利用という大きな柱だてのなかに
災害対策も含めた森林整備や、林業・木材産業の健全な発展が位置づけられたことは共感できるところだ。
この間、道として強調してきた、「植えて、育てて、伐って使ってまた植える」という方向性や、最近、知事・副知事はじめ、オリンピック・パラリンピックを想定して全国の森林認証面積の6割を占める北海道の優位性を強調して要請活動に動いていることの整合性があると考えるからだ。

一方、平成27年度末現在は、認証森林面積は、道内森林面積の約19%となっているところであるが、森林認証について、中長期的な計画のなかにどのように位置づけられるのか伺います。

(2)吸収源対策について

① 計画の改定について

「植えて、育てて、伐って使って、また植える」という循環の意義についての道民理解を深めるためにも、CO2の吸収は樹が成長する時に大きいことなどからいわば、産業的な循環とあわせて森林吸収源対策も、今日的な森林保全や地材地消の重要性の理解を深める課題として、非常に重要だと考えるところです。
今回、条例の改定に伴い森林づくり基本計画と、個別計画でもある道有林基本計画の改定が提案されたが、私としては、あわせて、北海道森林吸収源対策推進計画についても抜本的に見直すべきと考えますが、今後の見直しの時期、視点や方向性などについて伺います。

② カーボンオフセットについて

吸収源対策に関連して、カーボンオフセットなどの取り組みについて伺います。

道では市町村と連携して、道のカーボンオフセットの取り組みを広く周知するため、コンビニでのポスターの掲示や、首都圏における本州企業への働きかけ、道内においては環境問題に関心のある中小企業とのマッチングなど、クレジットの購入促進を図って来られたと認識しています。昨年時点では、販売実績は、道と市町村が保有するクレジット全体の約25%にとどまっていたが、現状ではどのようになっているのか伺います。

また、こうしたカーボンオフセットなどの新たな森林保全の形を、今後、道として、どのように評価し、どのように計画などに位置づけ、取り組まれる考えか伺います。
(3)多様で健全な森林の育成について
現計画においては、森林の区分ごとの望ましい森林の姿を示し、

水源涵養、災害防止のための森林や、生態系・環境の保全、文化の創造を期待する森林、木材等生産林などの区分をし、100年先のあるべき姿をめざしながら、計画的に森林の整備、森林経営を進めていく考えが示されています。

産業としての林業の強化なくして、森林環境の保全はかかせませんが、一方で、生態系や、環境保全、文化など短期的な経済性と異なる多面的な価値をもつ森林保全も重要と考えます。

これまで、各地域においてどのようにそれらが推進されてきたのか、課題は何があるのか伺います。あわせて、道有林としては、それぞれの地域で、道有林でなければできない役割をどのように果たしてきたのか伺います。

また、新たな計画においては、そうした森林の多面的な機能はどのように位置づけられる考えか伺います。

(4)林業の健全な発展
林業事業体の育成は、改めて条例に明記されたが現計画にも、すでに健全な経営を担いうる森林組合の割合や林業事業体の生産性向上に関する指標を設けながら取り組まれていると承知をしていますが、現状ではどのようになっているのか。

条例に位置づけられたことを受けて、今までの取組、成果と課題を踏まえ、新しい計画ではどのように取り組まれるのか伺います。
(5)木材産業等の健全な発展
① 新たな木材需要の喚起の必要性について

木材需給、加工の動向を見るとその内訳は、パルプ、紙、紙加工品が、大きな割合を占め6割以上木材、木製品製造業が3割弱、家具・装備品製造業が1割に満たない状況になっているとのことだ。

現在、日本では立ち遅れているが、ペーパーレス化の動きなども踏まえ、域内循環や、一人あたりの道民所得の向上を考えたときに新たな木材需要の喚起も含めたまさに長期的な対策も必要ではないかと考えるが道としては、これまで、木材需給、加工の動向をどのように認識し取り組んできたのか。

また、今年度の改定にはどのように臨まれるのか所見を伺います。

② 地材地消について

地材地消を掲げ、道産材の利用率は、56.1%と初期の目的をほぼ達成したと聞きますが、今後の目標設定の考え方、どの分野でどのようにいわゆる競合相手と戦っていくのか長期的な今後に向けての考え方を伺います。

また、地域材の利用促進が新たに計画に重点的に位置づけられたと認識しているが、認証や製品化に際しての環境整備など克服すべき課題があると認識する。現状の課題と、これからの施策の展開方向について伺います。

③ 民間施設の木造化、木質化について

道内では、179のすべての自治体で、道の働きかけにより地域材利用推進方針を策定するとともに、平成21年以降、森林整備加速化・林業再生基金などの活用により、74の市町村におきまして156の木造公共施設が建設されたと承知をしています。

オリパラでの道産材の使用及びPRを行っていると承知しているが、これからの北海道の林業、木材産業の競争力強化につなげることが必要と考えるところだ。

道として、まずは、道有施設をはじめとして、ホテルやレストランなどの民間施設などの整備更新などにおいても、道産木材が利用されるよう具体的な目標設定を行い、内外に発信すべきと考えるが、どのように考えるのか伺います。

また、これまで道産木材の利用促進に向けて、道産材活用のための試験研究や、リフォーム時の道産材使用量に応じて商品券を発行する事業などに取り組んできたと承知しているが、その具体的な成果と今後の取り組みについて、計画にどのように位置づけていくのか伺います。

2  木育の推進について

(1) 指標についての考え方について

今回、新たに条例にも位置づけられた木育ですが、北海道から発信された運動と認識はしており、関係者の努力には、敬意を表するところです。

木育の意義について、木育は、子どものころから森林に親しみ、日常生活の中で木を身近に使っていくことを通じて、人と、木と森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を生む取り組みであり、子どもたちはもとより、より多くの道民のみなさんがそれぞれの生活空間に樹木や木製品を置き、森や木と共に暮らしてもらうことを目指していると承知しています。

一方で、この間、計画のなかで道が掲げてきた特徴的な指標は、「木育」の認知度アップであり、道民一人あたりの植樹の本数であり、その見直しを提言させていただいてきたところです。

道としては、植樹のみならず、木育の理念を基本としたさまざまな取り組みにも取り組みが広がっており、木育の理念を基本とした道民との協働による森林づくりの参加者数なども指標にあげられてきたようだが、参加と協働は違う。

もちろん、植樹祭には私も参加させていただいており、関係者のみなさんの努力には感謝するところであり、植樹祭には植樹祭の意義があるのだろうと考えるが、私の協働のイメージは、それぞれが自分にできる責任を果たすことだ。極論すれば、カーボンオフセットの商品を購入することも、私は、これからの協働のあり方の一つと考える。たとえば、植樹祭の参加者を数えるより、森林にお金をまわすしくみに共感し実際に行動した人を数える方が、木育という言葉の認知度を図るよりも、有効だと考える。

私自身が、都市と農村の交流の現場で気をつけていたのが、交流、協働という名前の「接待」になっていないかどうかだ。

極端な言い方をすると、今のままの植林イベントではなく、未来に向けては、一つのツーリズム(粗い企画例だが、卒業旅行やインセンティブ旅行などとして、植林とその育つ費用を出してくれた人は名誉道民にするなど)として逆に都会から、あるいは海外観光客から、お金をとれる方法を模索すべきだと私は思う。

「木育」という言葉の認知度に、どうしてもこだわるならば、幅広く木育マイスターの養成をこの間続けてこられたと思うが、道民全般の認知度ではなくて、幼児教育や、保育の現場における木育の認知度や、木製の遊具の導入状況はどうなっているのだろうか?

イベント的に、木に触れることも、一つのきかっけとして重要だが、それは、これまでの実績の積み重ねにより、民間やNPOでもできることではないのだろうか?日常や現実のしくみのなかに、いかに、木育の理念を浸透させるかが重要ではないだろうか。

そうした意味では、道民全体に対して、木育の認知度をあげるという指標では、抽象的な啓発に終わるのではないかとの危惧があるのだ。

木育のさらなる進化に向けて、どのような指標を掲げるべきと考えているのか現段階における所見と検討状況を伺います。

(2) 教育機関などとの連携のあり方について

青少年の学習機会の確保について道民の森や、道有林の活用や、国有林や教育機関等と連携の方向が引き続き示されているのは重要なことであると考えるが、具体的な取組は再検討が必要だ。

例えば、これまでは、学校の総合的な学習の時間に位置づけされるなどが、教育機関との連携の主なものだと承知をしているが、昨今、教科教育重視のため、総合的な学習の時間は減少している実態にある。

また、総合的な学習の時間は、体系的なものになりにくいのが難点である。

本来であれば、自治体ともしっかりと連携し、小中高と体系的なとりくみの上で、大学とも連携をし、教室のなかでの学びよりも、アウトドア、森林の中での遊びや学びが、子どもたちの創造性や自己効力感、コミュニケーションを育む効果を実証しなければならない。

「森」が、国民のなかで、非常に重要な精神的な価値を持っている北欧、とくにスウェーデンにおいては、アウトドアで国語や理科、算数などを学ぶ教科書や、指導員の養成プログラムがあり、私が、視察したプレスクール(2歳から学齢前)の子どもたちは、昼寝もランチも、毎日、ほぼ、アウトドア、森の中で生活し、小学校中学校に行っても、数学や理科、国語の授業を森の中で行う。

しかも、国立大学において、アウトドア教育の効果がエビデンスとして蓄積されている。

どうしても、今の効率化中心の道庁内の議論のなかでは、コストや入込数やそうしたものさしの議論が多いと考えるが、そもそも、道民の森や、道有林が生み出す価値は、それでは測りきれないのではないだろうか。

だが、しかし、だからこそ、説明責任は必要であり、その説明責任を担保する仕掛けは必要である。

青少年の学習機会の確保について、また、道内外の大学も含めた教育機関や市町村自治体との連携について、道民の森、道有林を所管する道として、どのように取り組むのか、また、今回の計画において、どのような視点を反映させ、どのような目標を持つ考えか伺います。

3 道有林野を活用した地域経済の振興などについて

林業・木材産業等に関する森林づくりについて
先ほどまでは、いわゆる経済価値では測れない森林の多面的な価値について聞いてきましたが、林業、木材産業に貢献する森林づくりには道有林としてこれまで、どのように貢献しており、今後、どのように取り組む考えか、伺います。

(2)地方創生への貢献について

地域と連携した道有林野の活用による地方創生への貢献が求められているが、新たな計画で、地方創生への貢献についてどのように検討されるべきと考えているのか所見を伺います。

4 北海道森林づくり基本計画策定の意義について

最後に、改めて、伺いますが、この新たな計画策定においては、どのような状況を機会と捉え、北海道の森林環境や林業の何を強みとして強化していくための計画策定なのか伺います。

一方で、北海道における森林資源の循環利用の推進に関してどの点に課題があり、それをどのように克服するために計画策定に臨まれる考えか伺います。


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