【ひろまる日記】9月24日 非営利組織の経営①


【非営利組織の経営①】

「非営利組織の経営」は1990年に出版されました。
ドラッカーは、非営利組織がコミュニテイとして機能する社会を展望していました。
訳者の上田惇生氏のあとがきから引用すれば、

「ドラッカーは、社会的な存在としての人間は自ら機能する社会を必要とするという。そしてその社会が社会として機能するには、一人一人の人間に位置づけと役割が与えられ、そこにある権力が正当でなければならないという。その人間に位置づけと役割を与えるものがコミュニテイであり、いまやそのコミュニテイの役割を果たすものが非営利組織である。」

ちょうど私自身が道庁を退職する前後に、阪神淡路大震災を契機として、行政機関を補完する役割などが期待され、日本においても特定非営利活動法人法(通称:NPO法)が制定され、ドラッカーのこの本をNPOの教科書的として読んだ記憶があります。
改めて、第一次世界大戦、世界大恐慌、ヒトラーの台頭、第二次世界大戦などを生き延びてきたドラッカーの背景や意図を知って読むと、いわゆるマニュアル、ノウハウではなく、一人一人に行動を促すための強いメッセージを感じます。

また、この「非営利組織の経営」の特徴の一つが対談の多さです。もともと、ドラッカーは自身を「社会生態学者」と名乗っていたように、ドラッカーの著作は「観察」によるものです。それを象徴するような本かもしれません。
ドラッカーがこの中で紹介しているのは、以下の実践者の9名です。このうちの数名がのちにドラッカー財団の役員も担っており、ドラッカー自身の、人事やマネジメントの姿も垣間見られるのが興味深いところです。
まず、章ごとにまとめる前にこの対談の部分だけ抜き出して、ピックアップしてみました。

(1)フランシス・ヘッセルバイン
(全米ガールスカウト協議会専務理事)
目標の設定/ミッションとリーダーシップ
「人口構造の変化を「機会のターゲット」とした。」


(2)マックス・ドプリー
(大手家具メーカー会長)
リーダーの責任/ミッションとリーダーシップ
「リーダーは組織からある能力を借りている。」

(3)フィリップ・コトラー
(経営大学院教授/主著:非営利組織のマーケティング戦略)
非営利組織のマーケティング戦略/マーケティング、イノベーション、資金源開拓
「マーケティングとは、自らの強みを誰にマーケティングするかの徹底分析」


(4)ダトレイ・ハフナー
(アメリカ心臓協会副会長兼CEO)
資金源の開拓/マーケティング、イノベーション、資金源開拓
「資金源開拓は人間の育成」「マーケットの分類とそれぞれへの期待の明確化」

(5)アルバート・シャンカー
(アメリカ教員連合会会長)
学校の改革/非営利組織の成果
「長期的な目標が達成される中で短期的な目標が実現されていく」


(6)レオ・バーテル
(イリノイ州ロックフォード司教区社会問題担当司教代理)
ボランティアから無給のスタッフへの変身/ボランティアと理事会
「動機づけさえあれば能力の獲得は自分にとってのニーズとなる」

(7)デヴィッド・ハバード
(フラー神学校学長)
理事会の役割/ボランティアと理事会
「理事とは、オーナー、スポンサー、アンバサダー、コンサルタントである」


(8)ロバード・バフォード
(テキサス州バフォードテレビ会長兼CEO)
第二の人生としての非営利組織/ボランティアと理事会
「自分にとって大事なものは何か、20代、40代それぞれで見直しも必要」

(9)ロクサンヌ・スピッツァーレーマン
(聖ヨゼフ病院副理事長)
非営利組織における女性の活躍/ボランティアと理事会
「最高の自己開発は、他人の自己開発に力を貸すこと」

最後まで読んでくださってありがとうございます。
この「非営利組織の経営」に書かれている
ミッション、リーダーシップには
いわゆるNPO活動だけではなく、道庁組織や
政党組織にも参考になることが書かれています。

応援してくださる方は、
是非、「非営利組織の経営」について紹介する
ひろまる日記の続編もお待ちください。


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