初めてのメイクアップ講座～50の手習い

小学校5年生だったろうか。
父から
「おまえは器量も気働きもダメだから
しっかり勉強しろよ」と叱咤激励を受ける。
いわば、「女で勝負は無理だぞ」いう宣告だ。
以前、女性たちの集まりで、
この話をしたら、
「まー、ひどいわね」と憤慨してくださる方もいたが
私にとっては、ある意味で「解放」だったのだ。
その父の何気ない一言
(もちろん、父は全く覚えていないようだが)によって
私は、早々と「女戦線？！」から離脱し、
例えば、お化粧、メイクアップの苦労も楽しさも知らずに
50年、生きてきた。
おかげさまで、いわゆるステレオタイプの
「女の幸せ🎶(演歌が聞こえてきそう)」とは
縁遠いのですが、1人の人間としては、
なかなかユニークな良い人生だったなと
今さらながら、老いて身体も弱くなった父に
感謝したいと思う。

しかし、50代になって、突然
女性であることをもっと楽しもうと思っている。
実は、先日、私のこれまでの人生の中では
ありえなかったことだが。
プライベートのメイクレッスンを受けてきた。
寺長根愛さんという
メイクアップアーティストに出会い
メイクというものに俄然興味が湧いてきたのだ。
たぶん、メイクというのは面白いもので
自分の人生の枠を拡げたり、
新しい出逢いのためにも重要なものなのだろうと
恥ずかしながら、初めて気づいたところだ。

人生は、人間は、これだから面白い。
そんなにすぐには上手にはなれないと思うが
違う自分にまた出会いたい。