【道議会産業用大麻海外調査団 視察報告③ フェンスのないヘンプ畑で】
5月30日は、北海道ヘンプ協会と合同で、
実際にヘンプを栽培し、
栽培のためのノウハウの蓄積や
車の部品やヘンプクリートと言われる
建材などの商品作りのための機械の開発を
行っているHENP FLAX社を訪ねました。
オランダでは、26年前にヘンプが合法化され
その直後にHENP FLAX社設立され
25年の実績があるそうです。
説明してくださったのは
副社長のマークさん。
この会社のミッションは、
世界に環境に優しいものづくり。
1993年に会社設立して以降、
科学者ではないが
いろいろアイデアを現場で試して改善していくことを
積み重ねてきました。
700㎞圏内くらいで、実際に商品を販売し、
その実績をもとに
世界各地で輸送によるコストや環境負荷を増やさない
ローカルなビジネスを応援したいという展望も話され、
共感したところです。
実際にすでに商品化やプロジェクトの進んでいる
ヘンプ製品をいくつか紹介します。
まず、自動車の部品の素材として、
ヘンプの繊維とポリプロピレンなどを混合したチップです。
自動車部品は、従来のものと比べて
安全性(万が一の事故の時に尖った状態にならない)
持続可能性、軽さと、3つの利点があるようです。
ヘンプから取り出される繊維は、カイワレ大根などの
苗床としても出荷されているそうです。
繊維を取り出すときに出るのが
「オガラ」という、イメージとしては、おが屑の
ようなものですが、
繊維の活用先とあわせて「オガラ」もバランス良く
販売できるかが重要だとおっしゃっていました。
オガラは、まず、小動物から牛や馬まで
敷料としても使われてきましたが、
注目は、ヘンプクリートと言われる通気性の良い住宅建材。
マークさんご自身のお宅も、3年前に、この建材で建てられたそうです。
たくさんのヘンプ商品が展示されていましたが、
マークさんによれば、あらゆる産業部門で連携は
可能とのことでした。
残念ながら工場内は撮影禁止でしたが、
例えば、火葬埋葬時に柩に敷く素材など
顧客のニーズに応じて
さまざまに対応できる機械が稼働していました。
次に、栽培に関してです。
実は、マークさんのお父さんも
ヘンプ農家だったそうです。
約20年前には、
北海道にもあるようなヘンプに対する
無理解や偏見もありましたが、
実際に、トウモロコシを植えるより
ヘンプが利益が高いと分かるとそうした偏見は消えた、
これから挑戦されるところは、
ただ植えるだけでは無価値なので、
売り先を見つけ、必ず成功することが重要と
力強く話されました。
2016年現在で、会社として、2100haで、
ヘンプを栽培しています。
そのうち、1500ha オランダで契約栽培のような形で
栽培をしているとのこと。
残りの600haは、ルーマニアで、直営で栽培しています。
オランダには、5名の契約農家がいて、
ジャガイモ、さとう大根ーなどの輪作体系の中に
組み込まれているそうです。
私の右側が最も大きな面積を栽培しているエリックさん。
そして、午後からは、
HENP FLAX社と提携している農機具メーカーの
GROENOORD社から
ヘンプの収穫などに開発されたトラクターの
説明を受け、1日が終了しました。
このような機械を縦横無尽に使い、
北海道で産業用大麻が持続的な農業振興や、
地域経営に役割を果たすには、
まず、法制度整備が重要であると
オランダの栽培現場も見て、
痛感したところです。
改めてですが、
THC濃度が0.2以下の品種なので、
まったくフェンスがない広大な面積で栽培可能なオランダと
同じようにTHC濃度が低いとちぎしろという品種なのに
フェンスの設置が実質厚労省のマニュアルによって
定められている日本との違いを比較して、
3日目の報告を終わります。
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この記事の投稿者
広田まゆみ
函館生まれ札幌育ち。現在は、白石区在住で、北海道議会議員として活動中。
札幌市立向陵中、札幌西高、北海道大学を卒業後、北海道庁職員として、日高管内浦河町で生活保護のケースワーカーが最初の仕事です。
その後、労働組合の女性部長なども経験し、自分探しが高じて、11年務めた道庁を退職。
空知管内の雨竜町に移住します。
約8年、農家民泊や、農作業ボランティアのコーディネートなど都市と農村の交流を推進するNPO活動に従事した後、道庁の労働組合時代のご縁で、政治の道を選びました。
だいたい10年ごとに大きな転機があった私ですが
これからの人生の時間は、社会企業家的地方議員を100人つくることをはじめ、こどもたち、若い人たちを応援することに集中したいと思っています。
プライベートでは、気ままなひとり暮らしを満喫中。
大の温泉、銭湯好き。
チャンスがあれば、エネルギー独立型のエコ銭湯を経営してみたい。
完全なワーカホリック、働きすぎ人間ではありますが、最近は、ヨガにはまっています。
地域のヨガサークルで週1回教えられるような70歳になってたら嬉しいですね。
他には、着物、ヨガ、旅、ハガキ絵、「館」めぐり、そして、やっぱり、北海道の未来のために働くことが大好きです。
ドラッカー読書会FT。91期エクスマ塾生。