【10月15日 雑感〜 問題よりも機会、過去より未来にフォーカスする】


スウェーデンでは、今回、視察をコーディネートしていただいた
川崎先生の配慮で
国会議員、地方議員、首長などに面会の機会があった。

まず、総じて、若い。
そして、紹介者の存在もあるが、
非常にオープンで
市民との距離も日本では考えられないくらい近く
応答も率直である。

しかも、地方分権が進んでいるせいか、
自分自身が、今、地域のために
なすべきことについて明確であり、
戦略を持っている。

とくに、モタラ市では
大企業の撤退などがあったが、
起業を推進することや
自転車などをはじめスポーツイベントを展開することで
その状況を前向きにとらえ
努力している。

例えば、小さくはじまった自転車のイベントについて話を聞いたが、
いまや、そのための常勤の職員を10人配置する大きなイベントになっている。
その際、地元企業、団体からも協賛をもらうが、
その利益は、協賛をもらった団体に循環する仕組みだ。
さまざまな地域の強みを活かした観光プログラムを企画する会社も
市役所を退職した人が起業した地元の会社があり、
日本との交流も、具体的に、担当者が即断で決定し
どうしたら実現するかに話が進展する。
その決断のスピードは、
日本の行政組織では考えられない。

また、
高校生からの起業支援も盛んで、
教育担当者によると
12年継続してきた幼稚園でのアウトドア環境教育は
子どもたちの「内的起業家精神」の獲得に
効果があったと認識しているようだ。

全てがそうとは言えないが、
日本の場合は、
地域活性化1つとっても
中央政府の政策、財源に依存したり、
広告代理店やコンサルティング会社や、
旅行代理店に依存したりする傾向が多いのではないだろうか。

そして、難しい問題もあるが、
スウェーデンの発展のもう1つの鍵は、
「多様性」の尊重であると確信した。
15万規模の都市であっても、
難民も含め移民の受け入れは当たり前のことだ。
モタラの幼稚園においても、
必ず、子どものために、母国語を話すアシスタントが
その子どもの文化を保障するために
国家の財源で用意される。
また、特別な支援が必要とする子どもたちだけではなく、
すべての子どもに対しても、
その独自性や可能性を大切にする。
毎日、4から5時間、外で遊んでいるときも
その子どものニーズや特性にあわせて
子どもが自分のやりたいことを選択できるよう
静かに見守っている。

ある意味で多様性の象徴が
モタラの市長で、シリア出身でレバノンから子どもの頃に
難民としてスウェーデンに来たそうだ。
ヨーロッパに来て気づくのは、
今、大きなトピックは
シリア難民受け入れの問題であり、
日本政府は多額の資金援助を発表したが、
日本の昨年の難民の受け入れは
11人にとどまり、
全くインパクトや敬意を持たれる状況にないようだ。

スウェーデンについて
福祉や教育の分野で、耳学問としては、
さまざま学んだつもりだったが、
実際に自分の目で観て
そして、実際に肉声で意見交換をして、
その学びは何ものにも変えがたいところだ。

問題ではなく、機会をとらえる。
過去ではなく、未来にフォーカスする。
そして、現実的ではあるが、楽観的でもある。
企業家精神の本質は
そんなところにあるかもしれないと
感じたところだ。

私自身は、やはり、問題にフォーカスする傾向があることも
今回お会いした北欧の政治家やリーダーと
意見交換させていただいて実感したところだ。
私はこれまで
例えば道庁職員のみなさんに対して、
できない理由を探すのではなく、
できる方法を考えるよう求めていたが、
私自身が、まず、より機会と未来にフォーカスする資質を
身につけなければいけないし、
視点と感性をさらに磨きたいところだ。


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