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こどもにやさしいまちづくり事業について質問しました~令和4年第1回定例道議会

ご近所銭湯は地球を元氣に救うスイッチになる‐そう信じている広田です。と言いつつ、議会開会中は議会近くのビジネスホテルに泊まることも多く、ご近所銭湯にはなかなか行けないのが辛いところ。言い訳ばかりですが、質問原稿作成中にはブログも書けませんでした。今回は、2月24日に、知事に質問した内容を、政策の発生源含めて、みなさんにも情報共有します。まず、1番目は、「こどもにやさしいまちづくり事業(CFCI)」についてです。簡易議事録ができましたら、道議会議事録のところにアップしますので、知事や各部長、教育長の答弁などものちほど確認してください。

「こどもにやさしいまちづくり事業(CFCI)」って知っていますか?

CFCIの世界の動き~数年前にインドネシアのこども参画を視察してきました

子どもにやさしいまちづくり事業CFCI(Child Friendly Cities Initiatives)は、ユニセフが推奨する「子どもの権利条約」を地域レベルで具現化する活動です。開始されてから2021年で25年になりますが、まだまだ発展途上の段階です。しかし、当初は、いわゆる開発途上国に重点がおかれていたと思いますが、昨今では、スペイン、スイス、フランスなどの先進国の両方で、子どもの権利を充足する、かつ、持続可能なまちづくりの推進や政策形成に必須な事業となってきています。2021年3月末現在の数字ですが、開発途上国、先進国合わせて58カ国の5,676の自治体やコミュニティで、子どもにやさしいまちづくり事業は展開されています。

私は、数年前に、この本の訳者でもある木下勇先生と一緒にインドネシアにおじゃまする機会がありました。木下先生は、日本国内におけるこども参画の理論の第一人者でもあり、日本版CFCIのけん引役でもあります。

インドネシアは、ジョコウィドド大統領が、自治体首長時代からこども参画に熱心で、多くの自治体で取り組みが進んでいます。ざっくりとした説明ですが、日本で言うと、ちょうど「こども会」にあたる組織が毎年、地域の課題解決のための提言をまとめ、自治体に提出します。日本においてもこども議会などがありますが、いわゆるアリバイ的なものも少なくありません。インドネシアの場合は、ユニセフと「文科省」の方針に従って、実際に提言が実現します。

こども参画の実績として、保健室の設置や、ノーたばこデーなどが実践例としてあげられます。もちろん、日本とは比較にならないくらい、こどもたちの生活環境は劣悪であるわけですが、このとりくみを報告する14歳のリーダーの顔が輝いて見えました。彼の言葉によると、20あげた提言のうち、もちろん、地球規模の問題や、すぐ解決にいたらない深刻な問題も多くそのことを考えるととても重い気持ちになるが20個あげたうちの2つでも実践につながることはそれを越える大きな喜びであるとのことでした。また、こども組織のリーダーは概ね2年ごとに、選挙で選ばれるそうです。選挙のポイントは、積み残しの課題のうち、何を重点にするかというのが投票のポイントになるというのも印象的でした。

こども参画に関する日本、北海道の動き

日本版CFCIを推進する自治体として、日本では5つの自治体が認証されていますが、そのうちの2つは、北海道のニセコ町と安平町です。

ユニセフ日本型子どもにやさしいまちの構成要素(日本版CFCI)

ユニセフ日本型子どもにやさしいまちは、以下の10の構成要素を基準としています。

1.子どもの参画
子どもの意見を聞きながら、意思決定過程に加わるように積極的参加を促すこと

2.子どもにやさしい法的枠組み
子どもの権利を遵守するように法制度的な枠組みと手続きを保障すること

3.都市全体に子どもの権利を保障する施策
子どもの権利条例に基づき、子どもにやさしいまちの詳細な総合計画と行動計画を定めて実施すること

4.子どもの権利部門または調整機構
子どもたちの将来を見据えて、地方自治体の中に優先すべきことを保障する永続的仕組みを構築すること

5.子どもへの影響評価
子どもに関わる法律や施策、そして事業について実施前、実施中そして実施後に子どもへの影響を評価する制度化された手続きが保障されること

6.子どもに関する予算
子どものために適当な資源と予算が使われているかが調査されることを保障すること

7.子どもの報告書の定期的発行
子どもたちと子どもの権利についての実情について十分なモニタリングとデータ収集が保障されること

8.子どもの権利の広報
大人や子どもの間に子どもの権利について気づくことを保障すること

9.子どものための独自の活動
子どものオンブズマン、子どものコミッショナーなど、子どもの権利を促進するために活動しているNGOや独立した人権団体の支援をすること

10.当該自治体にとって特有の項目
人口、産業形態、地理的状況など、自治体固有の課題や強みを考慮して設定した取り組みを推進していくこと

 

こどもは保護の対象ではなく変化の主体である

ここで、まず、一つ強調したいことは、「こどもの権利?はい、保健福祉部ね。」という認識から、まず、脱却しなければいけないということです。2015年9月下旬の国連総会で、17の目標と具体的なターゲット169の項目からなる国連持続可能な開発目標(SDGs)が採択されました。SDGsでは、子どもへの投資が社会的課題であるだけでなく、社会・経済・環境全ての側面で持続可能な開発の達成に貢献し、子どもへの投資が子ども自身にとっても社会全体にとって高い効果があると位置づけました。子どもが保護の対象であるだけでなく、変化の主体と位置付けられました。

さらに、もうひとつ、確認しなければいけません。SDGsとは、17のゴールを道庁の膨大な計画のどこかに、まるで、シールのように貼って満足することではありません。持続可能な開発、発展とは、「次世代のニーズ(可能性)を損なうことなく、現在世代のニーズを満たす開発、発展」のことです。コロナ対策、雪害対策、日々私たちの前には課題が山積です。目の前の課題に対応せざるを得ない。でも、それは、「ほんとうに、持続可能なのか?次世代の可能性を奪っていないのか?」SD=持続可能な発展とは、常にそういう視点を持ちながら、今までの当たり前を検証していくことであり、そのためには、こどもにやさしいまちづくり事業の概念や、参加自治体を増やしていくことは、北海道の未来のためにとても重要であると考えます。

SDGs以前に、SD=持続可能な発展 のあり方として、北海道の未来像をどのように描かいていくのか、また、私としては、ユニセフ日本などとも連携し、こどものやさしいまちづくり事業に参画する自治体を積極的に支援することも、SDGs未来都市としである広域自治体北海道の役割ではないかと考えてます。

 

北海道におけるこどもや高校生の参画の検討について

ニセコ町では、まちづくり基本条例において、こどもの参画の権利を保障しており、こども議会や、こどもまちづくり委員会などのとりくみが進められています。
安平町では、こどもが当たり前に意見を言える、思い切り遊ぶことを保障することを大切に、こども園の園庭づくりや、震災復興後の義務教育学校づくりにも、大人やこどもたちが主体的に参画しています。

道においても、例えば、これまで、いじめ問題をテーマにした会議などが高校生の参画で行われた事例などは承知をしていますが、イベント的ではなく、しっかり地域もしくは道の政策に反映するしくみを活用し、提案内容に対してどのようにとりくまれたのかフィードバックするしくみも含めて、こどもや高校生の参画の機会を、探求の学びを深める上でも、まずは、試行的にでもつくるべきと考えます。

私が承知をしているのは、北海道では、まず、浦幌町の浦幌スタイルがすばらしいですよね。道外の事例ですが、地域の公共交通をテーマにした検討会への高校生の参画や、防災計画づくりにファシリテーターとしても参加している高校生の事例などもあります。地方議会が積極的に取り組んでいる事例もあります。私としては、北海道地域振興条例の道民意見の反映の項を拡充する形で、こどもや18歳未満の青少年も、地域計画に意見を表明できる場を保障することを早急に検討すべきであると、知事に提案しました。

答弁は、簡易議事録が手元に届き次第、また、道議会議事録のコーナーに情報共有します。

以上最後まで読んでくださってありがとうございます。2月24日の質問の最初の項目でした。これ以降の項目についても、可能なかぎり早くブログにアップしていきます。よろしかったら、フォローや、シェア、ツイートなどで応援してくださると嬉しいです。

 

 

 この記事の投稿者

広田まゆみ

北海道の自立と未来のための志事人、広田まゆみです。
函館生まれ札幌育ち。現在は、白石区在住で、北海道議会議員として活動中。

札幌市立向陵中、札幌西高、北海道大学を卒業後、北海道庁職員として、日高管内浦河町で生活保護のケースワーカーが最初の仕事です。
その後、労働組合の女性部長なども経験し、自分探しが高じて、11年務めた道庁を退職。
空知管内の雨竜町に移住します。

約8年、農家民泊や、農作業ボランティアのコーディネートなど都市と農村の交流を推進するNPO活動に従事した後、道庁の労働組合時代のご縁で、政治の道を選びました。

だいたい10年ごとに大きな転機があった私ですが
これからの人生の時間は、社会企業家的地方議員を100人つくることをはじめ、こどもたち、若い人たちを応援することに集中したいと思っています。

プライベートでは、気ままなひとり暮らしを満喫中。
大の温泉、銭湯好き。
チャンスがあれば、エネルギー独立型のエコ銭湯を経営してみたい。
完全なワーカホリック、働きすぎ人間ではありますが、最近は、ヨガにはまっています。
地域のヨガサークルで週1回教えられるような70歳になってたら嬉しいですね。

他には、着物、ヨガ、旅、ハガキ絵、「館」めぐり、そして、やっぱり、北海道の未来のために働くことが大好きです。

ドラッカー読書会FT。91期エクスマ塾生。
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