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脱原発~国民的議論の整理と政策への反映

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【脱原発
~国民的議論の整理と政策への反映】
※長文にて失礼します。

本日は終戦記念日。
何かと戦闘的な?報道が多く感じますが
犠牲になったすべての魂の安らかならんこと
また、二度と同じ過ちは繰り返さないと
静かに誓う日にしたいとも思います。

さて、先日もご協力をお願いしました
エネルギーの未来についての
パブリックコメントが終了しました。

私は、少なくとも原発の
新規立地・増設はしないということを
法的(条例で)に担保したいと
この間議会質問をしてきました。

もし、新規立地・増設はしないこと、
原則40年の稼働をまもることを
確認できれば
北海道の泊原発3号機は
1号機が2029年、2号機が2031年
3号機が2049年と
少なくとも2050年には
北海道は原発のない地域になります。
※廃棄物処理の問題は残りますが。

私としては
一番最低限の限度を決めて
可能な限りその時期を前倒し
していきたいと考えています。
新エネルギーの開発や
送電網の整備などの投資を
しっかり集中するためにも
まず、最後を決めることは
重要だと考えていました。

これからの政府の検討状況を
見守る上で
エネルギー基本問題委員会の
お一人で
環境ジャーナリストの
枝廣淳子さんのメルマガが
非常に参考になりましたので
許可をいただいて全文を
転載させていただきます。
※下線は私

中央政府の脱原発への明確な
リーダーシップを最後まで
期待し、求めるとともに
中央だのみではなく
地域でできることも
準備していきたいと考えています。

(以下 転載)
*************************************
Enviro-News from Junko Edahiro
No. 2123 (2012.08.14)
*************************************
2030年の原子力発電への依存度を示す
エネルギー政策について、おととい12日に
締め切られたパブリックコメントには
8万件を超える意見が集まったとのこと。

通常パブコメは千件を超えると
「たくさん集まった」という感じらしいので、
意識と関心の高さがうかがえますね。

これで、全国11箇所での意見聴取会、
パブコメ、討論型世論調査のすべてが
終わったことになります。

さて、このようにして集めた膨大な意見を
これから
(1)整理し、
(2)政策に反映させていくことになります。
政府がそれをどのように進めていくのか、
ぜひ、見守りたいと思います。

(1)の整理については、
昨日古川国家戦略相が
「パブリックコメントや討論型世論調査で集めた
国民の声を分析・検証する検討会合を
設立する」と発表しています。
週内にも初会合を開く。
検討会合は統計学に詳しい学者や
マスコミ関係者でつくる、とのこと。
「政府が勝手に整理した」「誘導だ」という
批判を避けるため、専門家を入れた、
ということでしょうね。
(本当はこういうプロセスでやる、
ということを最初の段階から考え、
発表しておくべきだと思いますが、、、)

その結果を
(2)どのように政策に「反映」するのかは、
政府にとっての難題です。
すべての人を満足させることは不可能ですし、
これだけ関心が高まっているので、
単なる「聞きました」というアリバイづくりだ
という批判が起きない「反映の結果」と
「そのプロセス」の透明性を高める
必要もあります。

7月末に開催された国会エネ調準備会で、
国家戦略室の担当者に「どのように反映する
のですか?」と質問したところ、
「反映の仕方もご意見をいただければ反
映いたします」という答えに
目がテンになったのですが、、、

さて、3つの選択肢の中でも
「15シナリオ」がわかりにくいという批判が
多くあります。

もともと基本問題委員会の中では
「15シナリオ」はありませんでした。
2030年に
原発比率15%という案を出した委員が
ひとりもいなかったからです。
「ゼロ」か「20%以上か」という
大きな乖離のある選択肢群でしたが、
「自然減(40年廃炉で新増設なし)だと
どうなるかを参考ケースとして
入れておいたらよいのではないか」という
意見が出て、参考ケースだった15%が
最終的には選択肢の1となりました。

基本問題委員会で議論していたときは、
15%選択肢の位置づけはより明確でした。

・ゼロ=意思を持って原発をゼロにまで減らす

・15%=自然減でいき、2030年ごろにその先を考える

・20~25%=意思を持って原発を維持する

というものだったからです。
ゼロと20~25%は先までのベクトルが明らかで、
15%だけは「いますべて見通せない」などの理由で、
判断を先送りする、という位置づけでした。

ところが、基本問題委員会が出した
この選択肢を閣僚のエネルギー・環境会議が
最終的な選択肢にするときに、
「どの選択肢にしても2030年頃、
もう一度大きな見直しをする」という位置づけに
したのですね。

加えて、基本問題委員会のときには
「ゼロシナリオは2030年をめどに、
それより早期か、それより遅れたとしても、
ゼロに向かっていく」という理解で話をして
いたのに、
「2030年までのなるべく早期にゼロとする」と
明示されました。

(これによって、
「自然エネルギーの普及速度などから考えると、
2030年にはゼロは間に合わないかも知れない。
としたら、15シナリオしかないかな?」と
考える人が増えているように思います)

「原発低減の考え方」としては、
政府はこのように打ち出しています。

<ゼロシナリオ>
・2030年までのなるべく早期に
原発比率をゼロとする。

<15シナリオ>
・原発依存度を着実に下げる。
・現存する原発に新しい安全規制の
40年運転制限制度を
自然体で運用した場合の
数字にほぼ相当する。
・原発の新増設が難しい状況にある
という実情を踏まえている

<20~25シナリオ>
・緩やかに原発依存度を低減しながら
一定程度維持。
・ 新設・更新が必要。
・ 原子力及び原子力行政に対する
国民の強固な信認が前提

15シナリオの「自然体で運用」って
何だろう?と思いませんか?
(原発運用の自然体って……?^^;)

政府の担当者に尋ねたところ、
「自然体で運用とは、
2030年時点で稼働が40年未満の20基を、
稼働率70~80%で運転した場合
ということです」。

40年未満の原発がいくつかは
数えられますが、稼働率に
幅を持たせているので、
どこで計算するかで
「2030年に原発比率は何%?」が
変わってきます。
その計算は、基本問題委員会に
政府が資料を出しています。
そこだけとりだして、
こちらに載せましたので、
ご覧ください。

稼働率・新増設の有無による
原子力発電比率について
http://ishes.org/es/energy/2012/eng_id000642.html

稼働率80%で計算すれば、
2030年には15%となります。
しかし、稼働率70%で計算すると、
2030年には13%になります。
稼働率70%で2030年に15%にするには、
新増設が2基必要になります。

ちなみに、この10年間の原発の
平均稼働率は70%を切っています

参考:原子力発電所の利用率の推移
http://ishes.org/es/energy/2012/eng_id000506.html

もしこの10年間の平均稼働率で
計算すれば、
2基では足りないかも知れません。
そこで、
私が自分で計算した数字を出すときには、
15シナリオのためには2030年までに
2~3基の新増設が必要となる、
としています。

さて、8月5日に開催した
第3回みんなのエネルギー・環境会議の
討論のようすが動画でアップされています。

> セッション1(選択肢について)
http://www.ustream.tv/recorded/24481627

> セッション2(原発の事故リスク、核廃棄物について)
http://www.ustream.tv/recorded/24483432

> セッション3(国民的議論について)
http://www.ustream.tv/recorded/24484581

> 質疑応答(すべてのセッションの登壇者)
http://www.ustream.tv/recorded/24485160

このセッション3でも、
情報の出し方や国民の声をどう反映するのか、
という議論がおこなわれました。
ドイツの倫理委員会が脱原発を決めた
というプロセスの紹介とともに、
「でもそれはそれまでの20年間にわたる
国民とのコミュニケーションや議論が
あってこそ」という説明が印象的でした。

スウェーデンで原発の核廃棄物の
最終処分地が決まったときにも、
「30年間、地元の人々と丁寧な
コミュニケーションと話し合いを
続けてきたからです」との説明を聞き、
なるほど、と思ったことを思い出しました。

日本でも、今回の国民的議論の結果を
「整理」し、「反映」して「オワリ」、
ではなく、これからずっと続いていく
「エネルギーと政策に関する
国民的議論と政策への反映」の
最初の一歩として位置づけ、
今回のさまざまな学びを活かしていっ
てほしいと願っています。

(枝廣淳子の環境メールニュース
http://www.es-inc.jp

 この記事の投稿者

広田まゆみ

北海道の自立と未来のための志事人、広田まゆみです。
函館生まれ札幌育ち。現在は、白石区在住で、北海道議会議員として活動中。

札幌市立向陵中、札幌西高、北海道大学を卒業後、北海道庁職員として、日高管内浦河町で生活保護のケースワーカーが最初の仕事です。
その後、労働組合の女性部長なども経験し、自分探しが高じて、11年務めた道庁を退職。
空知管内の雨竜町に移住します。

約8年、農家民泊や、農作業ボランティアのコーディネートなど都市と農村の交流を推進するNPO活動に従事した後、道庁の労働組合時代のご縁で、政治の道を選びました。

だいたい10年ごとに大きな転機があった私ですが
これからの人生の時間は、社会企業家的地方議員を100人つくることをはじめ、こどもたち、若い人たちを応援することに集中したいと思っています。

プライベートでは、気ままなひとり暮らしを満喫中。
大の温泉、銭湯好き。
チャンスがあれば、エネルギー独立型のエコ銭湯を経営してみたい。
完全なワーカホリック、働きすぎ人間ではありますが、最近は、ヨガにはまっています。
地域のヨガサークルで週1回教えられるような70歳になってたら嬉しいですね。

他には、着物、ヨガ、旅、ハガキ絵、「館」めぐり、そして、やっぱり、北海道の未来のために働くことが大好きです。

ドラッカー読書会FT。91期エクスマ塾生。
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