活動報告
【道議会産業用大麻海外調査団⑤ 第13回EIHA会議】
2016年6月2日
6月1日は、昨日の事前レクチャーに引き続き
ドイツ ベッセリングで開催された
EIHA(ヨーロッパ産業用大麻協会)主催の
第13回目の国際会議に参加した。
EIHAは2000年に設立され、
イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、イタリアなど
ヨーロッパの主要な産業用大麻の
1次加工会社を中心に構成されている。
正会員の条件は、
作付面積800ha以上であるそうだ。
昨年度の数字では、
正会員は12団体、準会員108団体(企業を含む)
38カ国の組織である。
第1回目の会議では、
参加者は約40名程度に過ぎなかったが、
第13回目は、日本やタイを含めて42カ国から
250名を超える参加者が集まっていた。
この会の事務局は
ドイツのNOVA研究所に置かれており、
ヨーロッパを中心としたヘンプに関する研究者と
実務家が半々くらいの参加である。
すでに、ヨーロッパにおいては、
産業用大麻(THC成分が0.2?0.3以下)の栽培や利活用が
合法化され、20年ほど経過する中で、
いかにマーケットを作るのか、
いかに有効な技術があるかなど
情報交換に国を超えてつながっている
極めてアクティブで企業家精神にあふれた会であった。
例えば、まず、茎からは繊維をとり、
織物や、車体のドアなどの部品や、
断熱材などいかに付加価値の高い商品を作るかが
議論されている。
例えば、31日にお話を聞いたBaFa社のフランクさんは、
ドイツでは、どうしても
バイオマスエネルギーとして期待されたが、
より付加価値の高いマーケットを求めて
ドイツから、農業国で種子調達から産業化の体制が
整っているフランスに生産拠点を移したそうだ。
茎を繊維として製品化する過程ででる
おがくずのような「おがら」は、
家畜の資料や、建材としても
より付加価値の高い商品化とマーケットの開拓が
求められている。
いかに生産性をあげるかが重要である。
さらに、酩酊成分もなく
近年、医療用 などの効果が期待されている
CBDなども、製品化の過程で得られる
葉を活用するなど
まさに捨てるところがない状況で
特にCBDについては、
最もホットな話題であるようだ。
日本の場合は、非科学的な取締法のため
酩酊状態を起こすTHC成分などの有無に関わらず
一律的に、花、葉の所持が禁止されているため、
産業化に向けた準備は
著しく立ち遅れている。
日本からの発表は、3グループだったが
縄文時代から大麻が使用されている文化と
北海道からのチャレンジが
北海道議会の動きも含めて報告された。
日本の法律の後進性や、官僚制が強調される場面では
会場内には少し呆れたような雰囲気も感じられ、
非常に恥ずかしく思った。
嗜好用まで含めた解禁まで行っているのは、
ヨーロッパではオランダのみ。
世界では、ポルトガル、ウルグアイ、
アメリカのコロラド州、ワシントン州など一部の州であるが
さらに、国連の特別麻薬総会で
薬物依存防止政策の見直しが検討されている。
薬物依存を刑事罰で取締まるよりも
ケアや治療を中心とする
司法モデルから福祉モデルへの変更が
今年の7月にもまた議論される見通しだそうだ。
産業用大麻推進の観点からではなく
実際に生活保護のケースワーカーとして
依存症患者の自立と支援の現場にいたものとしても、
共感する方向性である。
全日程は参加できなかったが、
少なくとも、
産業用大麻の推進に関する
科学的な思考と法体系の整備は、
段階的にも迅速に進めなければいけないと
改めて感じたところだ。
6月2日はホーヘンハイム大学において
ヘンプ産業の展望について
また、大学内での試験栽培場を視察し、
産業用大麻を車体に使用している
ダイムラー社などを訪問する。
視察も半ばを過ぎ
疲れも蓄積したところだが、
明日も視察報告します。
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