活動報告
【道議会産業用大麻海外調査団⑥ 研究、利活用の進む産業用大麻】
2016年6月3日
6月2日は、ホーヘンハイム大学を訪問しました。
まず、印象的なのは、
大学が塀に囲まれた閉ざされた空間ではなく
オープンであることです。
普通にバスが通過でき、古い街並みの中に
研究施設や教室が点在しているようなイメージです。
お話を聞いたのは、
ホーヘンム大学の作物研究所(crop science)で
農業経営学を担当しているウーベルフール博士から
お話をうかがいました。
まず、驚いたのは、
非常に高いレベルの栽培研究の実績があることだ。
例えば、EUが認証するTHCの含有が
0.2以下の種子が40種類ある。
日本では、北海道での試験栽培でもそうだが、
雌株、雄株と分かれて栽培されているが、
ヨーロッパでは、品種改良により
雌雄一体の株の栽培が主流になっている。
雌株、雄株と分かれていた方が、
繊維として活用する場合は、質が高いものがとれるが、
産業用大麻として
余すところなく、種、花、葉、茎と活用する場合には、
雌雄一体の株が優れている。
すでに、ドイツ・ヨーロッパにおいては
用途に応じて、いつ、どんな品種を、
どのように栽培、収穫をするのか、
その科学的な知見が集積している。
現在、日本では、厚労省などの頑迷な態度により、
産業化の道筋を開くためには、
THCが限りなくゼロに近い種子の確保が重要で、
それさえも、厳しい壁がある。
今ヨーロッパでは、医療用にも効果があり、
非常に高値で取引されるCBDに注目が集まっている中で
繊維だけではなく、木質としての「おがら」、
そして、大麻草の上部3分の1のところから抽出できる
CBDすべての活用への研究が進んでいる。
CBDの含有量は、THC成分の含有量と比例するため、
現在の0.2以下から引き上げるべきとの声もあるようだ。
日本の立ち遅れをますます実感する。
ウーベルフール博士の資料は、後日、送っていただけそうなので、
道の試験研究機関や関係者に共有したい。
次に、おじゃましたのが、
メルセデスベンツで有名なダイムラー社です。
すべての通信機器、録音機、カメラの持ち込み禁止でしたので
写真は、小さな看板のみです。
メルセデスベンツは、
車体の合成樹脂の部分を
栽培可能な素材への代替に努めている。
軽量化が、自動車メーカーにとっての大きな課題の1つだが、
リサイクル法の徹底のためにも
従来のグラスファイバーなどの素材からの
転換も自動車メーカーに求められている。
その際に、脱化石燃料、省エネも大きな課題である。
食糧作物との競合は避けなければいけないのも
ヨーロッパにおける自動車産業の使命であるそうだ。
北海道における産業用大麻の推進を行う際には、
ただ、産業用大麻を栽培できるだけではなく、
こうした素材を使うことを必要に思う企業や
その価値を評価するマーケットがあるかどうかも
重要であるだろう。
最後は、街中にヘンプ製品を販売している
HANF HAUSさんに立ち寄り1日の日程を終えました。
人口11万人くらいの街に、普通にヘンプ製品が
オーガニックな健康食品として扱われているのが、
象徴的なことだと思います。
長文になりましたが、
最後まで読んでくださってありがとうございます。
良かったら下のボタンをポチッと押してくださると嬉しいです。