活動報告
平成25年第2回定例道議会一般質問登壇しました(質問1回目)~エネルギー政策 環境政策など
2013年6月25日
◆(37番広田まゆみ君) (登壇・拍手)(発言する者あり)民主党・道民連合の広田まゆみです。
知事が示された道政執行方針に基づき、質疑をさせていただきます。
知事は、2月に、執行方針の中で二つの基本姿勢を示されました。
大きな一つとして、北海道の潜在的な可能性を顕在化させ、具体的な形にしていくための取り組みを急ぐとともに、食や環境、水、エネルギー資源などを、地域のビジネスや雇用に、また、世界にも通用する先進モデルとして開花させる取り組みを全力で進めるとされました。
私は、特に、知事が示された、世界にも通用する先進モデルという視点が非常に重要だと認識しています。その前提に立って、まず、エネルギー政策について伺います。
まず、地域分散型のエネルギー政策の重要性に関する認識についてですが、私としては、北海道が世界に通用する先進モデルとして、原子力、化石燃料からの脱却が不可欠であると考えます。
知事としては、電源の多様化を求めるという御答弁をされていますが、この電源の多様化を推し進めるためにも、北海道知事としてさらに重視すべきは、大規模・集中型から、地域分散型のエネルギー政策への転換です。
たとえ、再生可能エネルギーが導入されたとしても、従来型の大規模・集中型の発想が残っていれば、結局、一部の機械メーカーなどのもうけとなり、地域にお金が回らず、あるいは、北海道に賦存する多様な自然エネルギーのポテンシャルを活用できず、持続可能ではありません。
まず、地域分散型のエネルギー政策へと、北海道から率先して転換していく必要性について、知事の認識を伺います。
その上で、地域ごと、市町村ごとのエネルギー自給率の目標設定について伺います。
エネルギーの地産地消については、知事も言及をされていることは承知しています。
私は、市町村単位や広域連携による地域ごとのエネルギー自給率の向上に向けて、道あるいは各市町村が具体的な目標設定を掲げて、エネルギー自給率の向上 に取り組むよう、市町村を支援すべきと考えますが、現在の道の取り組みと今後の課題、それにどのように対応していくのか、伺います。
次に、地域主権型のエネルギー政策議論について伺います。
北海道から、世界の先進モデルたるエネルギー政策を実現するには、中央政府の方向性が定まらず、また、必要な法制度整備などが不十分で、さまざまな課題があることは承知をしており、道においても苦慮されていると認識しています。
また、これまで、自治体にとって、エネルギー政策は、中央政府任せ、電力会社任せであったことも事実であり、それが当たり前とされてきました。
しかし、持続可能な地域経営を考えたとき、この当たり前から、まず知事みずからが脱却することが求められていると考えます。
地域主権型のエネルギー政策の決定のあり方について、知事としての認識と姿勢を伺います。
次に、地域経営の視点でのエネルギー政策の検証について伺います。
例えば、下川町の試算ですが、人口が約3600人の下川町で、1年間に、電力会社に約3億円、オイル会社に約6億円のお金が支払われると聞きました。こ れも一つの大切な経済行為ですが、私が問題として指摘したいのは、今の日本のエネルギー政策では、結果として、このお金の多くが、道外、海外に流れること です。
下川町では、約9億円のお金を、森林バイオマスなどの活用で、地域の雇用や森林の再生に回していきたいと、取り組みを続けています。道としても、下川町のような地域経営の視点でエネルギー政策を検証し、具体的な取り組みをさらに加速すべきと考えます。
道としては、こうしたエネルギーにまつわるお金の流れの道全体の状況、実態をどのように把握しているのか、伺います。
もし、実態を把握していないとすれば、今後、実態を把握し、道民にとっての、具体的なエネルギー政策議論の材料として、情報共有をすべきと考えますが、見解を伺います。
次に、エネルギー政策議論にかかわる知事の役割について伺います。
私は、地域経営の視点で、北海道の未来のためのエネルギー政策を実現するためにも、知事は、脱原発の視点に立った省エネ・新エネ促進条例に基づいて、再生可能エネルギーへの転換をより一層加速すべきと考えます。
そのために、知事に何度も何度も質疑をさせていただいておりますが、原子力発電所の40年廃炉の原則に立ち、北海道においては新規立地や増設はしないと いうことを明確に条例などで定めること、つまり、最低限の脱原発のゴールを設定することで、再生可能エネルギーへの転換の後押しをすることが、知事及び道 議会の役割と私は考えています。
北海道の未来のためのエネルギー政策議論における知事の役割についての認識と、脱原発のゴールを明確にした条例制定の必要性などについて、知事の見解を伺います。
次に、都市と農村の交流・連携強化について伺います。
知事は、道政執行方針における基本姿勢の二つ目に、多様なネットワークを力に変える道政を掲げられました。
その中で、本道において、暮らしの安心と経済の再生を実現するために、中核都市と農山漁村、道央圏と全道の各地域など、広域的な連携の強化や、人と人、地域と地域のつながりを深めることをこれまで以上に重視し、飛躍の力とするとされました。
私としても、ライフワークの一つとして、また、札幌市選出の道議会議員の使命として、これまで、都市と農村の交流、連携の強化について、議会で何度か御提案をしてまいりました。今後、具体的に、どのような取り組みをされるのか、伺います。
次に、新たな政策展開のための取り組みについて伺います。
まず1点目は、北海道の自立のための行財政改革についてであります。
北海道の強みを生かす税制の検討についてですが、知事は、北海道価値を掲げて3期目の当選を果たされたと私は認識しています。
現在の税制や地方への税の配分のあり方は、大消費地や企業が集中するところに有利であり、森林などの環境、食料安全保障など、北海道価値を反映する仕組 みになっていません。税源偏在の是正のための地方法人特別譲与税も、一時しのぎの策であり、抜本的な問題解決になっていません。
北海道知事の役割として、北海道価値を具体化するような新しい施策を進めるために必要な独自の税制を構築することも、一つの方策ではないかと私は考えます。
厳しい財政状況を少しでも好転させるためにも、知事みずからのリーダーシップのもとで、まず、中央からの税の配分のあり方について、検討チームをつくり、積極的に提案していく必要があると考えますが、見解を伺います。
次に、行財政改革、政策評価、事務事業評価における新たな視点について伺います。
私は、これまで進めてきた知事の行財政改革の手法は限界に来ており、新しい物差しが必要だと考えています。私にとっては、本来の行財政改革とは、組織文化を変えていくものです。
これも、何度もこの議場で取り上げさせていただいておりますが、できない理由を探すのではなく、できる方法を考える、そして、知事みずからが掲げた北海 道価値について、この仕事が本当に北海道価値につながるのか、一人一人の職員がみずからに問いかける、そうした道庁組織がこれからの北海道に必要だと考え ます。私は、そういう職員を1人でも多くふやすことが本来の行財政改革の目的と考えます。
知事は、行財政改革の目的をどのように考え、どのように組織文化の改革に臨まれてきたのか、伺います。
また、意識改革のために、政策評価や事務事業評価の一つの物差しとして、例えば、北海道価値度など、新たな視点を設けることなども検討されてはいかがかと考えますが、見解を伺います。
次に、環境先進地としての道政運営について伺います。
まず、環境先進地・北海道づくりの具体化に向けた取り組みについてですが、知事は、執行方針における重点政策の柱の一つとして、環境先進地・北海道づくりを掲げられました。
基本的には、次世代環境モデル創造戦略として、環境産業の育成を図り、本道経済の活性化を推進するものと承知していますが、この知事の重点政策をより高 い次元で展開するためには、環境という言葉だけをただ使うのではなく、すぐれた環境の次世代への継承、資源の域内循環という物差しを通して、総合的に、各 部の全ての従来の事業の検証をすることが求められていると考えます。
少なくとも、各部において、環境先進地・北海道づくりを推進するために、部として、どのような見直しや事業を展開されてきたのか、また、これからどう取り組む考えかを明確に説明できるということが本来の姿だと考えます。
知事及び教育長は、今後、環境先進地・北海道づくりの実現のために、どのように取り組まれるのか、伺います。
次に、北海道独自の高い環境規制の必要性について伺います。
私は、環境先進地・北海道づくりに欠かせないのは、世界基準の高い環境規制だと考えます。規制なくして技術革新なし、技術革新なくして持続可能な北海道の成長はなし、これも、道議会の中で何度も繰り返し言わせていただいているところでございます。
一方で、現在の特区制度などの議論は、おおむね規制緩和であり、減税などが主です。しかし、私は、北海道価値の具体化、環境先進地・北海道づくりには、むしろ、世界標準の高い環境規制が重要であると考えます。
高い環境規制を設定した上で、どこに税金をかけて、どこに補助金などを出すのか、そこに連動した技術開発や人材育成をどのように進めていくのか──例え ば、住宅政策や中小企業の支援のあり方などにおいても、これまでの、環境と経済の調和という視点を超えて、高い環境規制を基軸とした北海道の活性化に向け て、知事が明確に方針を出されるべきと考えますが、見解を伺います。
次に、環境省との連携の強化について伺います。
高い環境規制をかけるに当たって、私は、環境省との連携の強化を提案します。残念ながら、環境省は権限が非常に弱く、例えば、廃棄物処理に関しても、国交省や経産省の権限が強い実態にあると、この間のさまざまな議会議論でも私としては受けとめております。
だからこそ、環境省と北海道が一体となって、高い環境規制と地域活性化を実証するモデル地区として活用する事業を提案すべきと考えます。
例えば、世界自然遺産となった知床地域では、ユネスコの勧告もあり、知床エコツーリズム推進計画が策定され、その計画の中では、化石燃料使用の自動車の利用制限なども検討されていると聞いています。
また、増加傾向にある外国からの個人旅行の、環境志向の高い旅行客を落胆させず、リピーターにつながるような、地域の本物の生活の質も求められていると承知をしています。
先般の議会議論では、幾つかの、国定公園を含む地域で、自然遺産の申請に向けての活動がスタートし、道としても支援する方向が示されたと認識しています。
私は、こうした地域を中心に、まず、自然エネルギー使用以外の自動車の乗り入れ制限、合成洗剤の使用制限、リターナブル瓶以外の缶などの使用制限などを、段階を踏みながらとは思いますが、環境省と連携し、モデル的に実施すべきと考えます。
環境省との連携の強化について、また、規制緩和ではなく、規制強化による地域活性化の必要性について、知事の見解を伺います。
次に、地域の環境を保全し、地域を活性化する人材の育成について伺います。
現在、中央政府においても、アウトドアの体験型の環境教育のリーダーの育成が重要とされ、東日本大震災の際の支援や復興においても、全国の自然学校系のNPOなどが活躍したことは、議会議論の中でも紹介してきたところです。
また、自然学校系のNPOや、そこから輩出された人材は、エコツーリズムなど、滞留時間が長く、付加価値の高いツアーなどの企画力もあると認識しています。
私は、全道の多くの市町村で受け入れが進められている地域おこし協力隊の事業などとも連携し、道としての一定の支援を土台としつつ、NPOが主体となった環境教育の人材育成が急務であると考えますが、現状はどのようになっているのか、伺います。
また、アウトドア体験型の教育は、北欧などを中心に、数学や理科など、あらゆる教科で有効とされており、北海道の子どもたちの可能性を伸ばし、北海道の 土地柄が持つ優位性を発揮するにも有効であると考えますが、環境教育のリーダー養成の重要性の認識と、今後の対応について、知事、教育長に伺います。
次に、食産業立国としての食育の強化について伺います。
本年度、食育基本計画が見直されると承知をしています。北海道が食産業立国として確立するためには、まず、道民が、自分たちのまちや産品に誇りを持つことが必要です。
先ほどの食育の議論と少し違う観点からの意見になりますが、消費者にとっての食の安心、安全や、健康によいものを食べるという啓発だけでは不十分だと私は考えます。
新たな食育計画の策定に当たっては、農作業体験の意義や取り組みの重要性について、より生産現場の思い、視点から強化すべきと考えます。特に、学校現場での食農教育、農作業などの実践をより明確に仕組みとして位置づけるべきと考えます。
また、学校給食において、米やパンなどは、北海道産という大きなくくりで、学校給食会を通して使用率が上がっていますが、本当の意味での地場産品の使用など、より実効ある目標設定が必要になると考えます。
地域の実態としては、センター方式の給食調理もふえ、栄養教諭、学校栄養職員が多忙な中で、加工品や、業者の示す食品をただ購入する状況もふえていると仄聞しています。
本来であれば、農作業体験、漁業体験と連動して、地元のAさん、Bさんが、汗をかいて、苦労してとった、まさに顔の見える食材を食べられること、さらには、学校農園があれば、みずから育て、収穫し、命をいただいて食べるということが、食育の基本だと私は考えます。
そこで、北海道食育推進計画の見直しに向けて、知事の基本的考え方と今後の進め方について、また、食育についての教育長の認識を伺います。
既に、平成25年度から5年間を見通して、教育推進計画が改定されたところと承知していますが、食育推進計画の見直しとあわせ、地場産品、顔の見える食 材の購入状況の割合を目標として設定するなど、食育推進計画の指標設定なども含め、再検討すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
次に、地域の強みを生かした観光の創造について伺います。
知事は、振興局と一体となって観光振興を進めるという答弁をされていますが、幾つかの振興局に、観光消費額のデータを問い合わせたところ、入り込み数以外は把握していない現状にありました。
道段階においても、モニターやアンケートによる調査で、しかも、6圏域の経済圏による調査であり、例えば、自治体ごとや地域ごとに、観光振興施策の検証 にそのデータを使おうと思っても、使えないデータであります。道は、このデータをどのように活用しようと考えているのか、伺います。
また、ほかの手法の検討はされなかったのか、伺います。
道の役割は、観光振興の意義を地域の中で振り返ることができる情報、データをしっかり示し、共有することではないでしょうか。
知事は、観光振興における道の果たすべき役割について、どう認識しているのか、改めて伺います。
次に、生涯学習推進基本構想の見直しについて伺います。
今後、生涯学習推進基本構想の見直しをする予定と承知しています。この見直しについて、今後、どのようなスケジュールで、どのような参加のデザインで見直しをされる考えか、まず伺います。
また、従来の北海道の生涯学習は、各部の関連施策の羅列であって、非常に総花的な印象があること、また、道民カレッジなどの利用者数もシニア世代に集中 していること、さらには、リーダー養成が地域のニーズにもかなっていると考えますが、実際には、サービスの受け手としての利用者が多いことなどを課題とし て、この間、議会においても議論させていただきました。
今回、見直しに当たって、どのような視点で、誰をターゲットに、何を重点とされるのか、明確にすべきと考えますが、教育長、及び、生涯学習推進本部長である知事の見解を伺います。
次に、生涯学習推進本部のあり方についてですが、知事に明確な理念がないならば、私は、この際、生涯学習推進本部を廃止して、地域に開かれた社会教育、 学校教育という形で、しっかり地域に根差したものを目指すほうが、本道の地域の実態に即していると考えますが、知事の見解を伺います。
また、図書館は、生涯学習の拠点としての機能を持つと、あらかじめ位置づけられています。
もし、生涯学習推進本部として明確な意思決定ができないのであれば、そもそも生涯学習の拠点として位置づけられている図書館については、学校図書館の開放を含めて、地域の図書館の機能強化や人的配置を支援するほうが有効であると考えますが、見解を伺います。
再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)