活動報告

第3回定例道議会 一般質問に登壇しました(知事、部長 1回目答弁)

2013年9月20日

◎(知事高橋はるみ君) (登壇)広田議員の御質問にお答えをいたします。
最初に、今後のエネルギー政策についてでありますが、太陽光や風力などの新エネルギーは、安定した電源として活用するには、多くの課題を有しております が、持続可能で、温暖化対策など、環境に優しい有効なエネルギーであり、中長期的な導入拡大が求められていると認識をいたします。
こうした中、本道は、全国トップクラスの新エネルギーの賦存量を有しており、多くの構想が提起されておりますほか、大型蓄電池や超電導直流送電といった新たな技術の実証実験など、さまざまな動きも出てきているところであります。
私といたしましては、エネルギーは暮らしと経済の基盤であり、各地域のポテンシャルやさまざまな技術開発の成果を生かし、中長期的に、社会経済の変化に 柔軟に対応するエネルギーの多様化を図っていくことにより、北海道が、将来にわたり豊かな暮らしと活力ある経済を有する地域であるよう、目指してまいりた いと考えております。
次に、新エネルギーなどについてでありますが、道では、省エネ・新エネ促進条例に基づき、取り組みの指針となる行動計画を策定し、省エネルギーの促進や新エネルギーの開発、導入に関する施策を展開しているところであります。
一方、国においては、今後の責任あるエネルギー政策の構築に向けた検討が行われており、道では、こうした政策動向を勘案しながら、新エネルギーの導入拡大に向けた課題や、今後の可能性などについて検討をしているところであります。
道といたしましては、地域の関係者や企業の皆様などと連携を図りながら、中長期的な視点に立って、新エネルギーが本道の主要なエネルギー源の一つとなるよう、取り組んでまいる考えであります。
次に、市町村の取り組みについてでありますが、本道の各地域には、それぞれに特色ある新エネルギーが賦存しており、こうした身近なエネルギー資源を活用 して、地域振興や経済活性化を図っていくことは重要でありますことから、道では、これまで、市町村における、国の補助制度を活用した新エネルギービジョン の策定や、新エネルギーの効果的な活用に向けた取り組みを支援してきたところであります。
道といたしましては、今後とも、新エネルギーの導入マニュアルの提供や、可能性調査への助成などを通じ、新エネルギーの導入促進に向けた計画などを策定しようとする市町村を支援し、エネルギーの地産地消が進むよう、積極的に取り組んでまいる考えであります。
なお、地域における新エネルギーの導入促進などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
次に、「麦チェン」の取り組みについてでありますが、「麦チェン」は、小麦が基幹作物となっている本道にとって、付加価値の向上や需要拡大につながる重 要な取り組みであり、その推進に当たっては、加工メーカーなどのニーズに即した小麦の安定生産を初め、道産小麦の加工適性に対する認知度の向上や商品開発 の促進などが課題と考えます。
このため、道では、パン用や中華麺用の小麦の栽培技術の普及、定着や、「麦チェン」サポーター店の登録拡大などの取り組みを進めているところであり、今 後は、さらに、商品開発の促進に向けたブレンド技術の確立や、サポーター店相互の連携による「麦チェン」フェアの開催など、生産から加工、流通、消費に至 る関係者が一体となり、総合的な取り組みを進めることにより、「麦チェン」を加速してまいる考えであります。
なお、輸入代替に関する取り組みについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
次に、森林の利活用に関し、道有林の多面的な活用についてでありますが、道では、本年6月に、北海道森林管理局と覚書を締結し、道有林、民有林、国有林が一体となって、森林資源の循環利用や水資源の保全などを進め、地域の振興を図っていくこととしたところであります。
このため、道といたしましては、道内の森林の約1割を占める60万ヘクタールの道有林について、今年度からスタートした道有林基本計画に基づき、トドマ ツを主体とした木材の安定供給や、森、川、海のつながりを重視する、漁業者と連携した森林づくり、大雪山、羊蹄山などの豊かな自然の観光資源としての活用 など、道有林の資源を最大限活用し、山村地域の活性化に貢献してまいる考えであります。
最後に、道産木材の利用促進についてでありますが、道では、地域で生産された木材・木製品を地域で利用する地材地消を推進するため、公共施設での道産木 材の利用などを進めてきているところであり、近年、本道の木材自給率は5割を超え、全国の倍の水準で推移しているなど、道産木材の利用は着実に広がってき ていると認識をいたします。
道といたしましては、北海道の景観や自然環境といったブランドイメージをより高めるためにも、今後、市町村、関係業界と連携を一層強化し、北海道新幹線 の駅舎、道の駅、宿泊施設など、道民や観光客へのアピール度の高い施設の木造化、木質化を促進するとともに、景観に配慮して木材を活用している建築事例を 効果的にPRするなどして、道産木材の利用促進に努めてまいる考えであります。
なお、木育の取り組み成果などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
以上でございます。
◎(経済部長辻泰弘君) (登壇)エネルギーの地産地消に関し、初めに、地域における導入促進についてでございますが、本道の各地域で、それぞれに特色の あるエネルギー資源の活用促進を図っていくためには、地域における情報や事業化に向けたノウハウ、人材の不足といった課題があるものと認識しております。
このため、道では、市町村や経済団体などをメンバーとする、振興局ごとの導入推進会議を通じまして、バイオマス、中小水力など、地域における具体的事例 や支援策に関する情報を提供するほか、専門家の派遣を行うとともに、今年度は、新たに、道内各地で研修会を開催し、新エネルギー導入の推進役となる人材を 育成することとしており、今後とも、こうした取り組みを通じて、エネルギーの地産地消の促進に努めてまいります。
次に、地域の取り組みについてでありますが、道では、総合計画で示している六つの連携地域ごとに、市町村や民間の方々などの参画を得て、総合振興局、振 興局が主体となって地域づくりの方向を示す連携地域別政策展開方針を策定しており、その中で、地域における新エネルギーの導入促進を掲げているところであ ります。
道といたしましては、こうした方針を踏まえ、地域の特色を生かした新エネルギー導入の取り組みが促進されるよう、市町村に対し、計画策定から導入まで、 段階に応じた支援を行うとともに、今年度は、これらに加えまして、道内各地で開催する研修会の中で、道のソフトを用いたエネルギー賦存量の推計や、地域モ デルの作成などの実習も行い、地域が主体となったエネルギーの地産地消の取り組みを促進してまいります。
以上でございます。
◎(経済部食産業振興監山崎峰男君) (登壇)「麦チェン」に関し、輸入代替の取り組みについてでありますが、フード特区では、食産業の国際競争力を強化し、国内外の食品市場における需要を獲得することを目指し、輸出拡大や輸入代替の推進に取り組んでおります。
このうち、輸入代替につきましては、5年間で600億円増加させることを目標に、農業生産体制の強化や道産原材料の利用促進につながる加工適性の向上を 図ることとし、これまでに、種芋の選別施設や牛の飼料製造装置などに対する税制支援、「麦チェン」に向けた販路拡大支援などを実施してきたところでありま す。
今後も、こうした取り組みに加え、道産野菜を活用した冷凍食材の販路開拓や、食用のカボチャの種の道産化、さらに、植物工場のビジネスモデル確立に向けた検討などにより、一層の輸入代替の推進に努めてまいる考えであります。
以上であります。
◎(農政部長竹林孝君) (登壇)バイオマス活用推進計画についてでありますが、バイオマスの活用は、地球温暖化防止や循環型社会の形成に資するととも に、地域資源を活用した自立・分散型エネルギーの供給体制を強化する観点からも重要であり、多様なバイオマスが豊富に賦存する本道において、地域の特性を 生かしながら、その活用を推進することが必要と考えております。
このため、推進計画の策定に向けましては、農村地域や中山間地域など四つの地域類型ごとに、主要なバイオマスの利用率に関して数値目標を示すとともに、 エネルギー利用の拡大など、利用方法の多様化や多段階的利用の促進を図るため、その活用の方向性についても盛り込んでまいる考えであります。
道といたしましては、この計画を踏まえ、地域の主体的な取り組みが促進されるよう、関係部局で構成するバイオマス活用推進連絡会議を核に、関係機関・団体等と連携しながら、積極的に取り組んでまいる考えでございます。
以上でございます。
◎(水産林務部長沓澤敏君) (登壇)森林の利活用に関しまして、まず、木育の取り組み成果などについてでありますが、道では、木育に対する道民の理解を 促進するため、これまで、企業やNPO等の森林づくり活動への支援、木製遊具のぬくもりなどを実感できるイベントの開催、さらには、木育を普及する指導者 である木育マイスターの育成などを進めてきたところであります。
このような取り組みの結果、昨年までの3年間で育成した114名の木育マイスターは、全道各地の木育イベントなどで活躍するとともに、相互の情報交換などを自主的、活発に行っているなど、木育の取り組みは着実に広がりを見せていると考えております。
道といたしましては、道民参加による森林づくりや木との触れ合いを推進するため、引き続き、木育マイスターの育成に取り組んでまいりますとともに、今後 は、道民の森や国有林の遊々の森において、これまで以上に、森林に親しみ、木材に触れる機会を提供するなどして、木育の普及、定着に一層努めてまいる考え であります。
次に、森林の価値の発信についてでありますが、道では、これまで、大学や試験研究機関などの研究成果を活用いたしまして、例えば、木材の使用率が高い学 校ほど、ストレスを訴える生徒の割合が明らかに低下すること、森林浴が、抗がんたんぱく質を増加させ、体の抵抗力を高めることなど、木材や森林が人に与え る科学的な効果について、パンフレットの作成と配布や、各種イベントでのパネル展示、ホームページへの掲載などを行い、情報発信に努めてきたところであり ます。
本年4月には、林産試験場により、トドマツからの抽出成分が血糖値の上昇を抑えるという研究結果が新たに取りまとめられておりまして、こうした成果の普 及も有効でありますことから、道といたしましては、今後、道総研や大学など研究機関との連携を一層強化し、森林の多面的な価値がより具体的に理解されるよ う、科学的な情報の収集と、道内外への積極的な発信に努めてまいる考えであります。
最後に、新たな製品の開発などについてでありますが、道では、これまで、森林整備加速化・林業再生基金を活用し、民間企業や道総研と連携して、新たな木 製品の開発に支援してきたところであり、これまでに、木製のガードレールや、簡単に組み立てられるキット式の物置、あるいは、集成材を活用したカーポート などが製品化されております。
道といたしましては、今後、付加価値の高い製品づくりを一層促進するため、白くて軽いというトドマツの特性を生かした機能性の高い家具や、圧縮して強度 を高めたフローリングの開発、さらには、シラカバを活用した防音パネルの開発などを支援してまいりますとともに、開発企業、木材関係団体などと連携しなが ら、ジャパンホームショーなどのイベントや、ホームページなどで製品の普及を図り、道産木材の利用を促進してまいる考えであります。
以上でございます。

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