活動報告

平成26年度決算特別委員会 総務部所管 新・北海道職員等人材育成基本方針と研修のあり方について

2014年11月12日

一 新・北海道職員等人材育成基本方針と研修のあり方について
1 平成25年度の研修実績について

(1)平成25年度の職員研修の実績と成果について

   平成25年度の職員研修について、どのような目的を持って
どのような課題認識で行われたのか、
また、その実績、成果についてどのように認識しているのか
伺う。

(回答)
平成25年度の職員研修は、新採用職員や昇任者を対象に、
それぞれの職位に応じた基礎知識等を修得させる階層別研修や、
施策立案等、業務に必要な能力向上を図るための能力開発研修など
を行ったところ。
階層別研修については、新採用職員の研修期間の延長や新たな通信
教育を導入したほか、能力開発研修については、民間企業の視点を
活用する観点から、「北海道セールス研修」や「企業若手社員との
相互啓発」を新設するなど、内容の一層の充実に努めたところ。
その実績としては、全体で40課程、115回の研修を実施し、
研修受講者の指定を所属推薦型としたことなどもあり、前年を
400名上回る延べ3300名の職員が受講したところ。

2 新・北海道職員等人材育成基本方針について
   平成17年に策定された、「新・北海道職員等人材育成基本方
針」では、 求められる職員像として、
   (1)公務を担う者としての倫理性や責任感を備えた職員
   (2)積極果敢にチャレンジする精神と改善・改革の意識を
     備えた職員
   (3)コミュニケーション能力と高度の専門知識・技能を備えた職員
   (4)課題解決のための構想力や判断力、行動力を備えた職員
   (5)自らの役割を理解し、指導力や協調性を備えた職員
   などがあげられている。

時間がないのですが、特徴的に1つ、引用して紹介するが、
   「従来、地方公共団体においては、国の法令等に基づく
   許認可事務など定型的な業務を中心に「堅実な執行」に力点を
   おいて、職員が業務にあたってきましたが、激しく変化する
   社会情勢のなか、前例踏襲型の業務執行では、道民の満足を
   得られません。道民の満足度を高めていくためには、
   「堅実な執行」に留意しながら、失敗を怖れずに、何ごとにも
   積極果敢にチャレンジする精神をもって、業務にあたることが
   必要です。
   さらに、組織に根付いている行動様式や仕事のやり方などに
   ついて、絶えず、問題意識を持ち、改善、改革しようとする
   意識を持つことが必要です。」とある。

(1)人材育成の達成状況について
   この人材育成基本方針は、平成17年に策定されたものである
   が、道庁組織のありようは、現状では、あまり改善されていな
   い、むしろ悪化していると考える。道としては育成方針の行動
   計画である「新・北海道職員人材育成推進計画」を、
   平成21年に策定し、この計画に基づき職員研修を実施してい
   ると承知しているが、この推進計画の達成状況について、
   どのように認識されているのか伺う。
   また、人材育成を取り巻く状況の新たな変化についてどのよう
   に考えているのか伺う。

(回答)
道においては、人材育成基本方針の取り組みを具体化する行動計画
である人材育成推進計画を策定し、職員研修の充実を図っているが
これまで、この推進計画に基づき、「地域政策研究」や「北海道セ
ールス研修」を新設したほか、各振興局で実施する研修を、
平成20年度の2講座から11講座と大幅に増加させるとともに、
市町村との合同研修を平成20年度の4講座から、5講座に増やす
など、研修の充実強化を図ってきたところ。

(2)研修の効果について
   この人材育成方針や推進計画においては、具体的な効果測定に関し
   ては定められていないが、この間、職員の採用がなかったため
   採用がいびつになっていることなどからも、研修の効果につい
   て、これまで以上に戦略的に把握することが重要だと認識して
   おり、研修の効果測定のあり方について、見解を伺う。

(回答)
研修効果の把握などについてでありますが、道では、それぞれの研修終了後に、受講者から、内容、運営、必要性などを評価する「研修報告書」を提出させるほ か、受講3ヶ月後には、「効果測定アンケート」を実施しており、特に「プレゼンテーション研修」や「文章作成力向上研修」といった能力開発研修では、研修 効果を高め、その効果を把握するため、受講の前後に、目的と成果を記入する「研修参加シート」を提出させているところ。
また、各研修では、研修生だけではなく、講師、委託事業者、人事課職員による多面的な評価を行い、評価結果は、講師の変更やカリキュラムの見直しなど、研修の改善につなげている。
道としては、効果測定は、研修効果を最大限に引き出す上で、大変重要であると認識しており、今後とも、受講者の意識の変化、知識の向上など研修効果の把握手法の改善に努め、研修の充実を図って参る。

(3)求められる職員像の組織における認知度について
多面的な評価など、現場の担当者は努力されているようですが、各県の人材育成に関しても私なりに調べさせていただいたんですが、私は、道においても、ま ず、求められる職員像が、簡易でわかりやすい言葉で明確にトップリーダーから示されること、その求められる職員像が、組織の中で少なくとも8割には言葉と しても共有されること、さらには、そのことが改善されているかどうかは、外部の評価、道民のみなさんがどう見るかということが、重要だと考えます。人材育 成方針の認知度、求められる職員の共通認識について、道としてはこれまでどのように周知してきたのか。また、今後どのように取り組む考えか伺う。

(回答)
人材育成基本方針では、5項目の「求められる職員像」を示しており、
この職員像については、毎年作成する「道職員のための能力開発ガイド」に掲載し、全職員に配布するとともに、職員向けイントラネットによって、広く周知を図っているところ。
さらに、毎年3回の自己申告時などに行う、職員と所属長との面談においても、研修に関して上司から、各職員の希望する研修の把握や、
業務実施の状況などに応じた受講の促しなどを行っており、
今後とも、こうした面談の機会を通じ、「人材育成基本方針」の内容、「求められる職員像」についても、さらに周知が図られるよう努めて参る。

3 民間委託の成果について
 (1)民間委託の成果について
   民間委託をして10年ほどが経過している。
   施設管理の費用など削減効果があったことや、メニューが多様化
   されたことは承知しているが、外部委託にしても、受託業者が主
   体的に研修内容について提案しているとは言えず、発注のあり
   方そのものを、より協働を重視したものとすべきと考える。
   道としての認識を伺う。

(回答)
職員研修の民間委託についてでありますが、道における職員研修は、地方公務員法に基づく人材育成基本方針と、その行動計画である人材育成推進計画を策定した上で、毎年度、具体の研修項目を定める研修計画を策定し、道が主体となって実施しているところ。
こうして定めた研修計画を、より効果的・効率的に実施するため、平成18年度から、研修運営を民間に委託することとしたところであり、
この業者選定に当たっては、プロポーザル方式を採用し、研修カリキュラムの独創性や、民間感覚による多彩な講師陣の選定を選考基準とするなどとして、効果的な研修の実施が期待できる業者の選定に努めているところ。
今後とも、民間の経営感覚などを取り入れた研修など、研修の充実に努めて参る。

4 今後の研修の基本方向について
人材育成方針のなかで、職場重視、個人重視、成果重視、能力・実績重視の4つの人材育成の基本方向が示されているが、認識がずれていると感じる。

(1) 学習する組織文化の確立について
まず、学習する“組織文化”の確立において、職場の管理職員の役割を強調しているが、組織文化の確立には、より高いトップマネジメント力が重要であると考える。
トップの明確な姿勢や長期的な仕組みづくりが重要である。それがなければ、単に研修のための研修になりかねない。ただ職場に委ねるよりも、大きな視点から学習する組織文化の確立について、明確にするべきと考えるが、見解を伺う。

(回答)
学習する組織文化の確立についてですが、
道においては、自己研鑽に対する機運の醸成が必要との認識から、「人材育成基本方針」において、「職場重視の学習する組織文化の確立」を柱に設け、
職場における、業務を通じた職員の能力開発、いわゆるOJTの重要性を明確にするとともに、それを担う管理職員に対する研修についても、充実を図っているところ。
これまでの具体の取り組みとしては、部長級を対象とした
トップセミナーの開催や、OJT指導力強化研修を実施するとともに、管理職員向けのOJTマニュアルを改定するなど、「学習する組織文化」の確立に向けた取り組みを行ってきた。
道行政を取り巻く環境が厳しさを増す中、職員の資質向上や意識改革は不可欠なものと考えており、管理職員が先頭に立って、OJTや自己研鑽に職場全体で取り組む、そうした組織文化の確立に向け、今後とも、職員研修の充実に努めて参る。

(2) 職員自らの能力開発について
私は、個人の能力開発は自己負担で行うべきという考えです。セルフマネジメントしかり、コミュニケーショントレーニングしかり、半額でも自らが負担してこ そ効果があがると考える。道費として、職員を支援すべきことは、先進的であったり、北海道ではなかなか受けられないような講座を企画したり紹介したりする なども必要ではないかと考えるが、見解を伺う。
私としては、その講座を公開にして、実費はいただきますが、市町村職員やNPOのみなさんなど、道庁職員と道民のみなさんと共に政策について学ぶ場をつくることの方が、道庁の組織文化を改革していくことにつながると考えます。見解をうかがいます。

(回答)
職員自らが行う能力開発への支援についてでありますが、道においては、職務遂行に必要な知識・技能の修得や施策立案等に必要な農直開発研修においては、道の責任において、実施するべきものと考えているところ。
一方で、職員が主体的に学習する自己啓発についても、人材育成の基本的な方策として位置づけているところであり、語学や財務会計など、個人のスキルアップに向けた通信教育の受講を奨励し、指定した講座を終了した職員に対し、受講料の助成を行っているところ。
今後とも、職員が自らの意思で学習する機運を醸成するため、職員個々の特性に応じた効果的な自己啓発が行えるよう、通信教育メニューの一層の充実に努めて参る考え。

(3) 研修成果の施策への反映について
道費で行う研修は、私としては、道政、道庁の課題解決に寄与する研修でなくてはいけないと思います。政策形成能力を向上させるためには、具体的な政策課題をテーマに、研究や提言を行うような実践的な研修を行うべきと考える。
また、私は、組織文化の改革を行政改革の本丸と考えているので、行政改革にも関わることだが、現状の審議会のあり方など、道の政策決定のあり方、外部からの意見集約や合意形成のあり方が、アリバイ的であったり形骸化しているという指摘が多い。
ファシリテーションに関する講座もあるようですし、職員に配布している能力開発ガイドには、道民の皆様方との協働、「協働の汗」を流すと記載されていま す。まず、研修の企画自体が、より協働の視点で組み立てられるべきですし、研修の成果を通して、実際の政策形成場面で活かせるような、より良いものに変え ていくため、研修の場だけの議論に止まらず、庁内で広く議論されるべきものと考えますが、見解を伺う。

(回答)
道の職員研修では、その多くが、それぞれの職位に応じた基本的な資質・能力の向上を図ることを目的に、過去の事例や他地域での事例を教材としており、実際の政策への反映を目的とはしていない。
一方、一定の基礎力が身についた職員に対しては、地域振興などの施策の推進に結びつくような、実践的な研修も、実務能力向上の観点からは、有効と考えており、「政策科学研修」や、「北海道セールス研修」などといった、政策提言型の研修も実施しているところ。
これらの研修においては、研究課題に関する企業や団体、市町村からの情報収集を行い、その成果をとりまとめ、関係部局に提言を行っているところであり、今 後もこうした様々な研修方法を組み合わせながら、研修内容の充実、研修効果の向上に取り組み、職員の士気向上と道組織の底上げを図って参る考え。

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