「お金」の使い方を知ることが最大の投資~2022年政経セミナー報告その1
schedule
folder 活動報告(地域活動・日常活動), 未来セミナー, 北海道の未来, ひろまる日記, ひろまる交流録
銭湯文化で地球を元氣にしたい!北海道議会議員の広田まゆみです。実は、最近、雪の影響もあって、深夜や早朝に仕事があるときは、市内のビジネスホテルを活用してて、ご近所銭湯さんにはすっかりごぶさた。プチ罪悪感。昨日2月22日で、毎年1回の政経セミナー兼2月の北海道未来セミナーが終了し、ほっと一息ですが、明日24日から、令和4年度第1回定例議会がスタートするので、また、ビジネスホテル暮らしがもう少し続くかも。。。
さて、今日は、昨日の政経セミナー兼北海道未来セミナーの報告をします。新井さんのお話を何度か聴いているのですが、毎回、薄皮を向くように新しい気づきがあります。
あなたにとって、お金って何ですか?
お金は増えない?お金に賞味期限があったなら?
昨日の講師は、新井和宏さん。「共感コミュニティ通貨eumo」という新しいお金の選択肢を現代に提示し、それを実際に使って、新しい経済のあり方、新しい発展や成長のものさしを地方から実践している方です。北海道ニセコ町に新しい拠点をおかれました。
私は漠然とですが、「お金は地域社会を持続可能にするエネルギー」のようなものと感じていました。新井さんの今回のお話で、そのイメージが明確になりました。新井さんは、私たちに、「お金は増えませんよ」と問いかけました。隣の誰かにお金をまわす、それが支払いであり収入になるが、お金の総量は変わらない。お金をまわすスピードが速いほど、消費や生産が活発で、今の成長のものさしであるGDPは増加することになります。いくら日銀が日本銀行券を発行しても、どこかに誰かがため込んでは、景気対策としては、効果がないんですね。日本のお金の回転率は、0.5だそうです。つまり、半分のお金がどこかにたまっている、滞っていることになります。
お金は、どう使うかが大事
私たちは、親や大人から、お金は大切にしなさいと言われてきました。でも、お金を大切にというのは、どういうことでしょうか?お金を貯めれば、大切にしていることになるのでしょうか?新井さんは大事なことは、どう使うかだと言われました。
共感コミュニティ通貨eumoは、いわば、賞味期限のあるお金です。なので、早く使うことになります。今、現在は、海外からのお客様がいないニセコ町ですが、アフターコロナでニセコが大好きな道外、海外のお客様が戻っていらしたときに、そのお金が、地域のお店に、しかも、その数パーセントが地域のこどもたちのために使われるとしたらとても嬉しいと思います。
デフレの正体は、のっぺらぼうの流通
新井さんは、今の流通、経済は、顔が見えない取引、流通が主体であるために、価値ではなく、価格にフォーカスする。のっぺらぼうであれば、安い方、安い方に流れる。それがデフレの正体であると。なるほどです!
さらに、価値を考えるとしても、社会から押しつけられる価値、例えば、ブランドものなどの価値ではなく、実際に生産現場を体験する、生産者と会う、直接聞くなどしてわかる価値が重要だと。共感コミュニティ通貨eumoは、地域のなかで顔の見えるお金の循環を取り戻すと同時に、その共感の輪を、さらに同じ感性を持つ人たちにつなげていこうとする外に拡がっていく電子マネーのコミュニティ通貨です。この通貨を使うことをとおして、禍の見えないのっぺらぼうの流通や経済を、お金を集めたり貯めたりすることではなく、使うことが嬉しくなる、感謝と共感でつながる地域社会をつくることを展望しています。
一時期、北海道でも、地域通貨が一瞬注目された時期がありましたが、行政主導であったり、限界がありました。この共感コミュニティ通貨eumoというお金のコンセプト、考え方が浸透すれば、法定通貨であり日本円の使い方や、経済のあり方や、政策のものさしも変わっていくだろうと思います。
自由とは選択できること。でも、それだけでは不十分だと気づいた
自由とは、選択肢が存在すること。過去に、新井さんのお話でとても印象に残っていることはこの言葉です。さらに、選択肢がないならつくる。変化の激しい時代、そして羅針盤のない先が見えない時代に、人間が幸せであるためには、必要な力だと思います。
今回、改めて、新井さんのお話を聴いて、選択肢を増やすだけでなく、その選択肢に、どんな思いや価値、方向性を持たせるか、それがとても重要だと、改めて気づきました。お金に関する選択肢は、最近、法定通貨以外にも仮想通貨など増えてきました。今の資本主義のしくみのなかで、利益を得ていない若い世代や途上国にとって、1つのチャンスともなっています。しかし、それは、人間が幸せであるための「手段」や「道具」でしかない「お金」がいつのまにか、「目的」化してしまっている今の世界の状況の延長線上です。さらには、何か不足を感じたときに、私たちは無意識にモノやサービスでそれを埋めようとする習性が、ついてしまっているような気がします。もし、今の日本人と同じ暮らし方を、世界中の人がしたときに、地球が3個以上必要だとも言われています。
自由な社会は、選択肢が豊富であること。しかも、可能な限り、全ての人が等しくその選択肢にアクセスできること。そして、もう一つ、その選択肢が、次世代の人たちの可能性をうばっていないのか、次世代の人たちの可能性を増やす選択肢はないのか。そう問いかけることがとても重要だと思うのです。
そういう意味では、「共感コミュニティ通貨eumo」は、未来の可能性を増やす素敵な選択肢だと思いました。eumoのなりたちなどについて知りたい方はこちらのインタビュー記事をご参照ください。
「共感資本社会」で新しい経済圏をつくる――新井和宏・eumo社長 | サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan
今の社会は私たちの小さな選択の積み重ねでできている
今の社会は、地球環境問題や、広がる格差の問題など、大きな構造的な矛盾や解決すべき課題に満ちています。でも、私たちにもできることがあります。いつもではなくてもいいけど、価格だけで見るのではなく、価値を考えてみる。その製品や産品が誰がどんなふうに作って、どんな過程をへて、今私たちの手元に届いているのか考えて、お金を使う。フェアトレード産品や、地元の素材、アーティストの作った作品を選ぶことも、大切な未来世代への貢献の一歩になるかもしれません。
現在、中央政府では、新しい資本主義について、議論がされています。残念ながら、これまでの資本主義の延長線上でしかないような気がしています。新しいものを探すのではなくて、もしかしたら、日本の古来にあった近江商人の三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)の進化系や、江戸の循環型社会など、過去に忘れてきたものを改めて取り戻す作業なのかもしれません。最後に、私が、一番最初に読んだ、新井和宏さんの本をおすすめして、終わります。「八方よし」について紹介されています。北海道のすべての会社の当たり前になりますように。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
毎月22日に、北海道の自立と持続可能な未来のためのセミナーを開催しています。どなたでも、参加可能です。SNSで告知しますので、よかったら、フォローよろしくお願いいたします。
ご近所銭湯で地球を元氣に!北海道議会議員広田まゆみ〜2月22日は新しいお金と教育のお話-参加者募集中さん (@hirotamayumi) / Twitter
この記事の投稿者
広田まゆみ
函館生まれ札幌育ち。現在は、白石区在住で、北海道議会議員として活動中。
札幌市立向陵中、札幌西高、北海道大学を卒業後、北海道庁職員として、日高管内浦河町で生活保護のケースワーカーが最初の仕事です。
その後、労働組合の女性部長なども経験し、自分探しが高じて、11年務めた道庁を退職。
空知管内の雨竜町に移住します。
約8年、農家民泊や、農作業ボランティアのコーディネートなど都市と農村の交流を推進するNPO活動に従事した後、道庁の労働組合時代のご縁で、政治の道を選びました。
だいたい10年ごとに大きな転機があった私ですが
これからの人生の時間は、社会企業家的地方議員を100人つくることをはじめ、こどもたち、若い人たちを応援することに集中したいと思っています。
プライベートでは、気ままなひとり暮らしを満喫中。
大の温泉、銭湯好き。
チャンスがあれば、エネルギー独立型のエコ銭湯を経営してみたい。
完全なワーカホリック、働きすぎ人間ではありますが、最近は、ヨガにはまっています。
地域のヨガサークルで週1回教えられるような70歳になってたら嬉しいですね。
他には、着物、ヨガ、旅、ハガキ絵、「館」めぐり、そして、やっぱり、北海道の未来のために働くことが大好きです。
ドラッカー読書会FT。91期エクスマ塾生。