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誰かの支えに~グリーンツーリズム

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グリーンツーリズムという考え方が日本に入ってきたのは約20年ほど前だったと思う。ちょうど、私が道庁を退職して農村で暮らしていた時、ヨーロッパなど のグリーンツーリズムを体験した農家さんなどが、自分たちも同じように実践したいと動き始めた人がいて、一方、リゾート振興などの大きな流れもあって、ス タートしたと認識している。
日本でスタートしたとグリーンツーリズムと、発祥の地でもあるヨーロッパなどのグリーンツーリズムの違いは、私は、根底に、 水などの自然環境の悪化を招く大規模型の農業ではなく、小規模な環境保全型農業を都市住民が支えるという考えにあると思う。日本においては、都市化、近代 化が進み、とくに、北海道においては、農村においても都市においても、緑豊かな自然景観は別として、コンビニエンスストアなど、同じような街並みが続き、 ある意味でそれが豊かさの象徴であるとされたのに対し、ヨーロッパなどの小さな農村は昔ながらの街並みや暮らしが保全されているところが多いことも一因か もしれないが。
結果として、私が約15年ほど前に、農村に住んでいた頃は、グリーンツーリズムというなら、都市住民に田舎に来てほしいなら、例えば、まず、トイレを水洗 にすべしという声が出たり、都市のニーズにあわせて、田舎がどう変われるかというようなことが求められてきた。都市と農村の対等な「交流」と言いつつも、 農村側が、都市から来るお客様を「接待」をするというような構図だった。しかも、農村側では、ほんとうは、自分たちの庭先にあるキュウリやスイカやトマト がご馳走なのに、わざわざ、どこでも買える清涼飲料水やお菓子を用意することがもてなしだと勘違いしている残念な現場にも遭遇することがあった。
今回、久しぶりにグリーンツーリズムの現場におじゃまをして、人口減少や、日本の農業をめぐる厳しい状況のなかで、個々の農家さんや、地域の人たちが、自 分たちがその土地で生き延びるために、あるいは、こだわりの農業を実践するために、加工など付加価値を高めたものづくりをスタートし、自らその価値を、受 け身ではなく、自らさまざまな方法で発信している状況を力強く思った。
一方で、都市部に住む私たちの意識、社会のありようは、どうだろうか?
グリーンツーリズムという言葉は使わないまでも、週末になると多くの人が、道の駅や産直に出かけたり、農家レストランなどが大盛況であるという状況は、当 たり前のように、生まれてきた。食の安心・安全を求める意識も高まってきた。また、昨今では、修学旅行などでも、農家民泊や農作業体験などが人気である。
そのなかで、前述のように、自分で発信する力、販売する力を持ったところは別として、多くの農村地域などが、グリーンツーリズムともてはやされて、結果と して、旅行会社などに安く使われてしまっていないのか、入込数などの目先の数に踊らされず、ほんとうに地域にお金が入るしくみになっているのかどうかを、 個々の農家のがんばりや、点としての存在ではなく、地域全体として検証していく時期に来ていると、改めて感じたところだ。
私は、30代の多くを農村で過ごした。その時に、ほんとうに多くの方にお世話になりながら、まだ、ご恩返しがまったくできていない。緑の海ような水田のなかで、農作業のお手伝いをしながら暮らした経験があるからこそ、今の私があるのだと思う。
明日は、その数年間を過ごした雨竜町の夏祭りに向かう。来週末に行く予定の浦河町と並んで、私の原点の場所でもある。
懐かしいと同時に試される場でもあるので、心して向かいたい。

 この記事の投稿者

広田まゆみ

北海道の自立と未来のための志事人、広田まゆみです。
函館生まれ札幌育ち。現在は、白石区在住で、北海道議会議員として活動中。

札幌市立向陵中、札幌西高、北海道大学を卒業後、北海道庁職員として、日高管内浦河町で生活保護のケースワーカーが最初の仕事です。
その後、労働組合の女性部長なども経験し、自分探しが高じて、11年務めた道庁を退職。
空知管内の雨竜町に移住します。

約8年、農家民泊や、農作業ボランティアのコーディネートなど都市と農村の交流を推進するNPO活動に従事した後、道庁の労働組合時代のご縁で、政治の道を選びました。

だいたい10年ごとに大きな転機があった私ですが
これからの人生の時間は、社会企業家的地方議員を100人つくることをはじめ、こどもたち、若い人たちを応援することに集中したいと思っています。

プライベートでは、気ままなひとり暮らしを満喫中。
大の温泉、銭湯好き。
チャンスがあれば、エネルギー独立型のエコ銭湯を経営してみたい。
完全なワーカホリック、働きすぎ人間ではありますが、最近は、ヨガにはまっています。
地域のヨガサークルで週1回教えられるような70歳になってたら嬉しいですね。

他には、着物、ヨガ、旅、ハガキ絵、「館」めぐり、そして、やっぱり、北海道の未来のために働くことが大好きです。

ドラッカー読書会FT。91期エクスマ塾生。
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