北海道の障がい者条例を現実を変える力に― 幻となった知事総括質疑と、これからの課題 ―
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北海道の障がい者条例を現実を変える力に― 幻となった知事総括質疑と、これからの課題 ―
もっと知って使ってほしい“条例”の基盤

先日3月13日の北海道議会予算特別委員会では、北海道が全国に先駆けて制定した「北海道障がい者条例」の実効性について質問しました。この条例は、私が1期生の頃に議員提案の政策条例として、北海道議会の全会一致で可決されたものです。障がいのある方の権利擁護や差別の解消、そして「暮らしやすい地域づくり」を進めるための重要な基盤です。地域づくり委員会など、当事者参加の仕組みも整えられてきました。
理念は現実を変えているのか
一方で、その理念が、現実の課題解決にどこまでつながっているのか――この点については、なお検証が必要だと感じています。
今回の質疑では、合理的配慮の推進や地域づくり委員会の役割について確認しました。保健福祉部からは一定の取組が進められているとの答弁がありましたが、制度の枠組みにとどまらず、社会の中に残る課題にどう向き合うかが問われていると感じました。
たとえば、旧優生保護法のもとで行われた強制不妊手術の問題や、障害福祉サービスが65歳で介護保険に移行する、いわゆる「65歳問題」は、司法判断によって差別の存在が明らかになった事例です。
さらに、2024年の法改正により、民間事業者にも合理的配慮の提供が義務化されました。差別解消は、行政だけでなく、社会全体で取り組む段階に入っています。
幻となった知事総括質疑
こうした背景を踏まえ、私は今回、条例を単なる理念ではなく、課題解決の仕組みとしてどう活かしていくのかを知事に問う総括質疑を準備していました。
その内容は、次の2点です。

まず1点目は、公共発注の姿勢についてです。
知事は、再生可能エネルギーの分野において、法令違反のある事業者からは電力を購入しないという姿勢を示しています。公正な競争を確保するうえで重要な判断です。
その考え方を踏まえれば、障がい者就労を支える企業や福祉事業所に対する公共発注についても、より明確な姿勢が求められるのではないでしょうか。
私は、調達目標の明確化や実績の見える化など、公共調達を通じて社会的価値を示していく取組を強化すべきではないかと問いかける予定でした。

2点目は、北海道障がい者条例そのものの活かし方についてです。
北海道は、全国に先駆けて条例を制定し、地域づくり委員会などの仕組みも整えています。
しかし、旧優生保護法の問題や65歳問題のように、司法判断によって差別が明らかになった課題に対して、これらの仕組みを十分に活かしきれているのかが問われています。
こうした課題は、個別の申し立てを待つだけではなく、社会の中で明らかになった問題を行政が受け止め、政策として改善していくことが必要です。
私は、知事が本部長を務める地域づくり委員会を含め、この条例の仕組みを、差別や生きづらさを解決していく政策基盤としてどのように活かしていくのかを問う予定でした。
しかし今回は、会派として経済政策を中心とした質疑構成とする判断があり、これらの論点については知事総括として取り上げることができませんでした。

次の議会に向けて
いわば「幻の知事総括」となりましたが、この問いそのものが消えるわけではありません。
北海道は、全国に先駆けて障がい者条例を制定した自治体です。
その先進性が、制度の存在にとどまるのではなく、実際に差別をなくし、暮らしを変えていく力になっているのか。
今、問われているのはそのことだと考えています。
次の一般質問の機会なども見据えながら、条例を「理念」から「実効性」へとつなげていくための議論を、引き続き積み重ねていきます。
この記事の投稿者
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広田まゆみ
函館生まれ札幌育ち。現在は、白石区在住で、北海道議会議員として活動中。
札幌市立向陵中、札幌西高、北海道大学を卒業後、北海道庁職員として、日高管内浦河町で生活保護のケースワーカーが最初の仕事です。
その後、労働組合の女性部長なども経験し、自分探しが高じて、11年務めた道庁を退職。
空知管内の雨竜町に移住します。
約8年、農家民泊や、農作業ボランティアのコーディネートなど都市と農村の交流を推進するNPO活動に従事した後、道庁の労働組合時代のご縁で、政治の道を選びました。
だいたい10年ごとに大きな転機があった私ですが
これからの人生の時間は、社会企業家的地方議員を100人つくることをはじめ、こどもたち、若い人たちを応援することに集中したいと思っています。
プライベートでは、気ままなひとり暮らしを満喫中。
大の温泉、銭湯好き。
チャンスがあれば、エネルギー独立型のエコ銭湯を経営してみたい。
完全なワーカホリック、働きすぎ人間ではありますが、最近は、ヨガにはまっています。
地域のヨガサークルで週1回教えられるような70歳になってたら嬉しいですね。
他には、着物、ヨガ、旅、ハガキ絵、「館」めぐり、そして、やっぱり、北海道の未来のために働くことが大好きです。
ドラッカー読書会FT。91期エクスマ塾生。


