誰かの支えに~女性の性と生殖の自己決定の権利
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本日は、「北海道子どもの社会的養護を考える会」の乳児院見学会に、特別枠で参加させてもらった。この会は、道立中央乳児院が廃止され、民間であるあゆみ の園さんに移管される過程で、設立されたと記憶している。現在、乳児院は、函館と札幌の2カ所にあり、なんらかの理由・事情で養育を受けられない子ども を、児童相談所を通じて、一時的または、中・長期的に預かる施設である。本来は、こうした施設がない方が望ましく、親への支援や、私としては、欧米諸国の ような里親制度の発展などを期待している。宗教的な土台もあるが、なんらかの理由で望まない妊娠をしてしまった女性への支援と、赤ちゃんの命が奪われない ためのしくみがある。日本でも赤ちゃんポストとして話題になった「こうのとりのゆりかご」などが、体制として整備されている。
最近、私の周囲でも不妊治療などに悩み、身体的にも経済的にも、大きな負担を強いられている女性も多い。それに対して公的助成の強化を求める声もあるにだが、私は、それには賛同していない。
子どもを産む産まないかによって、女性の価値に有無が論評されることのないような社会づくり、女性の性と生殖の自己決定権をまず、保障することが重要で、その上で、この世に授かったすべての命をどう守るのかを社会全体で考えていくことこそが重要だ。
そういう意味では、出生前診断にも懐疑的だが、悲しいことに、乳児院の子どもたちが、遺棄や養育拒否をされる背景に、経済的な問題だけではなく、障がいの問題もあるという現実が悲しい。
私は、すべての遺伝子が重要であり、すべてに意味があり、良い遺伝子も、悪い遺伝子もないと思っている。すべて意味があってこの世界に誕生するのだと思う。
厳しいと思われる縄文時代にも障害を持つ子どもたちがいて、大切に共に生きてきたことは、遺跡調査から明らかになっている。古代文明においてもそのことは 指摘されていて、ナスカの地上絵なども、類稀な才能を持つ障害を持つ人たちの能力が活用されていたのではないかとの推論もあるほどだ。
ただ、はっきしりしていることは、古代から引き続き、今の日本の親たち、とくに、母親は、一般的には、人類史上始まって以来の孤独で苛酷な子育て環境にあるということだ。子どもたちにとっても、よくない状況だ。
人類の進化とは、文明の発展とはいったいどういうことなのかと、乳児院に預けられざるを得ない子どもたちの状況を見ると考えずにはいられない。
この日記でもご紹介したが、50歳になったことをきっかけに、乳児院のボランティアをスタートした。私が、大事にしたいのは、子どもたちを大切にするため には、まず、子どもたちの周りにいるスタッフ、職員の人たちを大切にすることだ。スタッフの人たちが、少しでも養育に専念できるようにボランティアででき ることは、ボランティアで支援できる仕組みを地域で作っていくことが目標だ。
その上で、やはり、妊娠・出産を含めて、女性たちが、性と生殖の自己決定の力をつけること、精神的、経済的な自立の力も高めることが、子どもの虐待を防ぐ 重要な視点だということも改めて実感するところだ。自分の身体や命を大切にできないと、子どもを大切にはできないのかもしれない。いろいろな事情があるの だと思うが、妊娠中から、いわば、ネグレクトのような状態であったことが想定される子どもも多いとのお話だ。
同時に、子どもがいてもいなくても、すべての子どもたちの未来を応援できる力と責任が、すべての大人にあることを、私と同じく子どもがいない人たちにも、 愛をこめて伝えていきたいものだ。もしも、できることならば、子どもが欲しいと考えている人たちの選択肢の一つとして、また、子どもたちの未来のために も、里親制度がより魅力的で、良いものになるようさらに現場のお話に学んでいきたいと思う。
この記事の投稿者
広田まゆみ
函館生まれ札幌育ち。現在は、白石区在住で、北海道議会議員として活動中。
札幌市立向陵中、札幌西高、北海道大学を卒業後、北海道庁職員として、日高管内浦河町で生活保護のケースワーカーが最初の仕事です。
その後、労働組合の女性部長なども経験し、自分探しが高じて、11年務めた道庁を退職。
空知管内の雨竜町に移住します。
約8年、農家民泊や、農作業ボランティアのコーディネートなど都市と農村の交流を推進するNPO活動に従事した後、道庁の労働組合時代のご縁で、政治の道を選びました。
だいたい10年ごとに大きな転機があった私ですが
これからの人生の時間は、社会企業家的地方議員を100人つくることをはじめ、こどもたち、若い人たちを応援することに集中したいと思っています。
プライベートでは、気ままなひとり暮らしを満喫中。
大の温泉、銭湯好き。
チャンスがあれば、エネルギー独立型のエコ銭湯を経営してみたい。
完全なワーカホリック、働きすぎ人間ではありますが、最近は、ヨガにはまっています。
地域のヨガサークルで週1回教えられるような70歳になってたら嬉しいですね。
他には、着物、ヨガ、旅、ハガキ絵、「館」めぐり、そして、やっぱり、北海道の未来のために働くことが大好きです。
ドラッカー読書会FT。91期エクスマ塾生。