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【活動報告】平成30年8月23日② 後を絶たない鉛中毒~釧路湿原野生生物保護センター

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8月21日~23日にわたり、
環境生活常任委員会の視察を行った。
視察の最後は、釧路湿原野生生物保護センターだ。

メディアでも話題となった猛禽類医学研究所
活動拠点としても知られている。
今回は、獣医師でもあり、環境省釧路自然環境事務所調査研究員、
猛禽類医学研究所の副所長も務めている渡邊さんから説明をうかがった。

こちらでは、シマフクロウや、オオワシ、オジロワシなどの
野生生物の治療やリハビリにあたっている。
交通事故や、感電、また、鉛中毒など
人間によって傷つけられた野生生物を治療して
可能なかぎり自然に返しているそうだ。
また、事故防止のため
道路の構造や建築物の仕様の工夫についても提言しているそうだ。

羽が片方になってしまったり、自然に帰せないと判断したものは
そのままこちらで飼育されるが、そこからは環境省の支援からははずれる。
猛禽類医学研究所の自主的な事業になっているため、
グッズの販売や、寄付を募り運営している。

センターでは、一般展示は行われていないが
ビデオなどの画像をとおして、
リハビリ中のシマフクロウの姿が見られた。

展示としては、
シマフクロウやタンチョウなどの絶滅の恐れのある野生生物を
あえて剥製をつかわず木彫で野生生物の姿が展示されていた。
写真はエトピリカ。

また、湿地の生態系やその保護などについて、
パネルや航空写真で紹介され、
故辻井達一先生から寄贈された書籍類も閲覧できる。

シマフクロウが減少した原因の一つに
営巣できる大木がなくなったことがあるそうだ。
まるでドラム缶のようであるが、
センターでは、こうした巣箱を作成し、
樹に設置するなどしてシマフクロウの保護や増殖に
取り組んでいるそうだ。

さて、もう一つ、この報告で欠かせないのは、
オオワシ、オジロワシなどにいまだに起きている
鉛中毒についての問題的だ。

猛禽類は、エゾシカ猟の後に放置された肉などを食べるが、
その中に鉛弾がほんのカケラでも残っていると
運動障害を起こし少量でも死にいたるとのこと。
北海道においては、
平成26年エゾシカ対策条例により
鉛弾の使用や所持も禁止している。

ところが、その後も、被害は根絶していない。
地域や狩猟対象を限定せず、
鉛弾そのものの禁止を行うような検討も必要だろう。

現在、猛禽類医学研究所では、法制度整備を求めて
署名活動も行っている。

前回の報告で触れた個体数が増加してしまったエゾシカも、
絶滅の危機にあるシマフクロウなどの希少種も、
すべて人間の営みによって引き起こされている現象だ。
一瞬、自分の言葉で意思を伝えられない野生生物を
どこまで保護をすべきなのか
少し悩ましいもの、違和感も感じた。
しかし、これは放置をしておいて良いことではないのだろう。

少なくとも、鉛弾使用の問題をはじめとして、
人間が決定して変えられるものは、
それを考え、開発できる能力を授かった生物である人間の使命として
1日でも早く改善していきたいと感じた視察であった。
事前の学習が不足していたので
改めて行きたい、お話を聞いてみたい場所であった。

皆さんも是非、訪問してください。

最後まで読んでくださってありがとうございます。
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 この記事の投稿者

広田まゆみ

北海道の自立と未来のための志事人、広田まゆみです。
函館生まれ札幌育ち。現在は、白石区在住で、北海道議会議員として活動中。

札幌市立向陵中、札幌西高、北海道大学を卒業後、北海道庁職員として、日高管内浦河町で生活保護のケースワーカーが最初の仕事です。
その後、労働組合の女性部長なども経験し、自分探しが高じて、11年務めた道庁を退職。
空知管内の雨竜町に移住します。

約8年、農家民泊や、農作業ボランティアのコーディネートなど都市と農村の交流を推進するNPO活動に従事した後、道庁の労働組合時代のご縁で、政治の道を選びました。

だいたい10年ごとに大きな転機があった私ですが
これからの人生の時間は、社会企業家的地方議員を100人つくることをはじめ、こどもたち、若い人たちを応援することに集中したいと思っています。

プライベートでは、気ままなひとり暮らしを満喫中。
大の温泉、銭湯好き。
チャンスがあれば、エネルギー独立型のエコ銭湯を経営してみたい。
完全なワーカホリック、働きすぎ人間ではありますが、最近は、ヨガにはまっています。
地域のヨガサークルで週1回教えられるような70歳になってたら嬉しいですね。

他には、着物、ヨガ、旅、ハガキ絵、「館」めぐり、そして、やっぱり、北海道の未来のために働くことが大好きです。

ドラッカー読書会FT。91期エクスマ塾生。
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