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なぜ?いまだ解決しない「議員専用喫煙所」設置問題の不思議

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folder 議会改革, ひろまる日記

こんにちは。銭湯で地球を元氣にしたい
北海道議会議員の広田まゆみです。

 

将来は番台に座って

大きいけれど可愛いおばあちゃんになって、

世界からのお客さんをお相手するのが夢。

 

が、その前に!

実は、私、道議会議員になりたてのころ

〝道議会の宇宙人〟と呼ばれてました。

最近、事務所にも、また、会合に出席した際にも、

「なんで反対しないの!」とお叱りを受けたり、

医師会や各種団体さんから喫煙所設置をしないよう

要請もいただいていました。

自戒の念をこめ、宇宙人魂をとりもどし、

みなさまからのお問い合わせも多い喫煙所設置問題に関し、

議会の不思議を書いてみたので

是非、ご一読くださいね。

ここが変だよ!北海道議会の喫煙所設置問題

立法機関だから、喫煙所作っていいって?!

マナーからルールへ~改正健康増進法が段階的に施行

まず、経過から書きます。

※知っている方はとばしてくださいね。

望まない受動喫煙をなくすために

2018年7月に成立した改正健康増進法の一部施行で

行政機関や病院など公的な機関は、
本年2019年7月から敷地内原則禁煙となりました。

 

今後の改正健康増進法施行のスケジュール

 

議論はさまざまありました。

しかし、マナーからルールへと大きな流れが決まったのです。

ところが…

 

道議会自民党会派が喫煙所の設置を決定

2019年10月4日

北海道議会最大会派の自民党・道民会議は

『2020年に完成する道議会新庁舎』に

会派控室内に喫煙所設置を議員総会にて決定。

その理由は、議会は、行政機関ではなく、
「議決機関」であるということ。

(※私自身は、あえて、地方議会も「立法機関」と呼びたいですが)

これって、おかしくないですか?

 

半数近くの県議会で屋内に喫煙所が設置。

社団法人日本禁煙学会の調査によると、2019年10月現在で

都道府県議会では24議会が「屋内全面禁煙」以上の

受動喫煙防止対策を行なっていますが、

一方で、約半数が喫煙所を設置。

都道府県の喫煙所の設置状況 出展:社団法人日本禁煙学会のサイトから

 

全道の状況を見てみると、

北海道は35の全市議会で屋内全面禁煙など

望まない受動喫煙防止に積極的な姿勢です。

出典:日本禁煙学会

後でまた触れますが、

全国の市区議会の積極的な取り組みも、

道や一部の県議会に足をひっぱられています。

 

議会は行政機関ではなく立法機関だから

屋内全面禁煙の対象外というロジックに

とても違和感を感じて

法成立の経過などを少し調べてみました。

 

その元凶は国会に~立法機関を標榜する資格なし?

すると、元凶は、国会にありました。

現在の改正健康増進法は、

飲食店のへの規制などが厚労省の当初案から

大きく変更した形で可決されました。

これについては、いろんなご意見もあると思います。

これから、受動喫煙防止に取り組む地場の飲食店さんを

どう応援していくのか、

それはまた改めて書きたいと思います。

 

ここで問題なのは、「国会」の扱いが、

この変更にあわせて、大きく変化したこと。

 

もともとの厚労省案では、

官公庁という分類の中で、

国会も「屋内禁煙」に分類されていました。

ところが、政府案が提出された際には、

官公庁という分類のかわりに

「学校」「病院」「児童福祉施設」

そして、「行政機関」が指定され、

これらをひとくくりに

「敷地内禁煙(喫煙専用室設置も不可)」とし、

それ以外の事務所やホテルなどの施設は、

「原則屋内禁煙(喫煙専用室設置可)」となりました。

 

これにともなって、国会は、

行政機関ではなく立法機関であるとして、

喫煙専用室の設置が認められることとなりました。

法案を通すための根回しの結果の妥協でしょうが、

その過程は不透明です。

 

立法機関というのは、文字通り法律を作るところ。

法律をつくるところが

自分たちに甘い法案を容認しつつ、

しかも、自ら立法機関であると標榜して、

喫煙室を設置して憚らない。

その体質に危機感も感じます。

小規模議会の改革についていけない大規模議会

さらに、もう一度、全国の議会の状況を比較してみましょう。

同じ北海道でも、道内の35の市議会は、すべて

屋内全面禁煙など受動喫煙防止の徹底のため、

中央政府の法の本旨を踏まえて、その枠を超えて、

自主的に取り組んでいます。

※議会が物理的に市役所内にあるなど

構造上の問題もあると思いますが。

 

その他の議会改革でも同じような傾向が見えますが、

地方議会改革は、小規模自治体議会が牽引してきました。

全国の市区議会は97%が屋内全面禁煙となっています。

 

 

国会、道議会、一部の県議会と、多くの市町村議会を比較して

どちらが立法機関として機能していると言えるでしょうか。

どちらが時代の変化や、市民の声に

敏感と言えるのでしょうか?

二元代表制と会派制度

どうして、広田さんは反対しないの?
知事は何をしているの?

地域で、みなさんから、

よく聞かれるのがこの2つの質問なんです。

 

冒頭にもお話しましたが、

他の会派の控え室の話に、隣から首をつっこめる力は、

私にはありません。

ただ、地方議会への理解と関心を深めていただくための

大切なポイントでもあるので

長くなりますが、ちょっと書かせてくださいね。

 

二元代表制

まず、知事に関してですが、

知事と私たち道議会は、本来は、二元代表制と言って

そもそも独立した機関。

 

知事も私たち道議会議員も、票数は違えど、

直接選挙で選ばれた対等な立場です。

鈴木直道北海道知事は、

「税金の支出で議員喫煙室をつくるのは望ましくない」と

答えています。

これは、かなり踏み込んだ発言でもあるわけです。

 

おそらく前の知事だったら

「議会がお決めになること」と言ったのではないでしょうか?

 

本来は、二元代表制の一翼を担う立法機関として

議会は北海道のために、「立法」をはじめとして、

どんな働きをするのかが問われているんです。

 

国会に忖度した変な法律が通ってしまいました。

知事さんはちょっとがんばりました。

じゃあ、議会はどうする?

がんばるポイントは、喫煙所の設置ではなく、

例えば、受動喫煙防止条例をどうするのか

しっかり議論することです。

 

会派制度の弊害

冒頭で、喫煙所の設置が、

自民党会派の議員総会で決定されたと書きました。

会派制度のなかでは、議員個々の賛否は表現しづらいのです。

自民党さんのなかにも、とくに若手議員や

SNSを活発にやっている議員のなかには、

違う考えをもっている方、表明している方がいるのも

知っています。

 

先進的な小規模地方議会の中には、

会派制度を廃止したり、

個々の議員の議案への賛否状況を公開したり

議員間討議を活発に行ったりするなど

より合議体としての議会の機能を強化するような改革が

進んでいます。

 

先ほど二元代表制について少し触れましたが

独任制の知事・執行機関と違って、

合議体である地方議会は、多様な意見が尊重され、

意思決定のプロセスがより開かれたものになるべきです。

議案の賛否にかんして会派拘束をしないという地方議会会派も

ではじめています。

 

禁煙派VS愛煙家の議論を超えて

話が、受動喫煙防止の話題から、だいぶそれちゃいましたね。

 

ただ、私は、今回の北海道議会自民党会派の
喫煙所設置問題って、
禁煙推進派VS愛煙家の話ではなく、
文字通り「立法機関」としての北海道議会が
どう対応すべきかって話だと思うんですね。

 

今、受動喫煙防止対策条例が提案され、

来年の定例会に議案として提出される予定になっています。

「立法機関」としての北海道議会がどう対応すべきか。

ただ法律と同じことを並べるなら、

そもそも条例制定の必要はないと、私は、思うんです。

 

この条例制定のスタートとなった北海道のがん対策として、

どうあるべきかなども踏まえた上で、

次の定例会に臨みたいと思います。

 

長文につきあってくださって、

ありがとうございます

 

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 この記事の投稿者

広田まゆみ

北海道の自立と未来のための志事人、広田まゆみです。
函館生まれ札幌育ち。現在は、白石区在住で、北海道議会議員として活動中。

札幌市立向陵中、札幌西高、北海道大学を卒業後、北海道庁職員として、日高管内浦河町で生活保護のケースワーカーが最初の仕事です。
その後、労働組合の女性部長なども経験し、自分探しが高じて、11年務めた道庁を退職。
空知管内の雨竜町に移住します。

約8年、農家民泊や、農作業ボランティアのコーディネートなど都市と農村の交流を推進するNPO活動に従事した後、道庁の労働組合時代のご縁で、政治の道を選びました。

だいたい10年ごとに大きな転機があった私ですが
これからの人生の時間は、社会企業家的地方議員を100人つくることをはじめ、こどもたち、若い人たちを応援することに集中したいと思っています。

プライベートでは、気ままなひとり暮らしを満喫中。
大の温泉、銭湯好き。
チャンスがあれば、エネルギー独立型のエコ銭湯を経営してみたい。
完全なワーカホリック、働きすぎ人間ではありますが、最近は、ヨガにはまっています。
地域のヨガサークルで週1回教えられるような70歳になってたら嬉しいですね。

他には、着物、ヨガ、旅、ハガキ絵、「館」めぐり、そして、やっぱり、北海道の未来のために働くことが大好きです。

ドラッカー読書会FT。91期エクスマ塾生。
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