活動報告

平成24年第1回定例道議会 一般質問 再質問

2012年3月8日

◆(36番広田まゆみ君) (登壇・拍手)まず、行政改革の効果について、再質問いたします。
総務部長は、道民の満足度の向上に努めてきたと御答弁されましたが、判断の根拠がわかりません。
また、行政改革によるコストカットによって、毎年増加している福祉関係費への対応に取り組むことで、道民の福祉の向上に取り組んできたと答弁をされました。成熟社会モデルづくりの今後にもかかわりますが、それは、財政からの発想であって、道民の目線ではありません。
道庁では、2006年2月に行政改革大綱を策定し、コンパクト道庁を打ち出しました。単なる経費削減により、縮小、萎縮する道政に陥ることなく、官から 民への流れを加速し、新たなビジネスチャンスや雇用の創出につなげる改革を進めるコンパクトガバメントとして、最少の経費で最大の効果を上げると大綱に書 かれています。
最少の経費ということだけが強調されて、道民のために最大の効果を目指すという基本の「き」が、この間の道庁に欠落しているのではないでしょうか。
知事は、道庁の総合力を高めていくよう、リーダーシップを発揮していく考えを示されました。マンネリ化して、本来の目的を見失った行政改革に対し、私 は、改めて、道民の満足度に関する指標などを具体的に設定し、何が道民のための最大価値なのか、職員一人一人が常に考える組織にするための事業の見直しと なるよう、行政改革の本質に戻るため、リーダーシップを発揮されるべきと考えますが、再度、知事の所見を伺います。
次に、観光振興機構のあり方について伺います。
私が、観光振興機構に関して、行革の観点から取り上げる理由は、コンパクト道庁として、選択と集中を図るための行政改革の基本は、道民の皆さんのための 政策とその成果指標を道民の皆さんに明らかにし、その指標達成のためには具体的にどんな事業がふさわしいのか、その事業を実施する主体としてだれがふさわ しいかなどを、まさに客観的、公正に検証することだと思うからですが、御答弁では、指標設定の考え方が明確ではありませんでした。
再度、次期計画の策定に当たっての指標設定などの基本的な考え方について、知事の見解を伺います。
また、観光振興機構において、公益社団法人への移行に向け検討を進めており、今後ともしっかりと連携を図っていくという知事の御答弁がありましたが、公 益と認定されれば、認定を受けた公益法人や、これに対して寄附を行う個人及び法人に関して、税制上の優遇措置がとられるはずです。
また、確認したところ、観光振興機構の会員数は、微増ですが、増加傾向にあり、一つの団体に対して、漫然と同額の予算計上が3年間されているということは、私は、行政改革の観点からもおかしいと考えますが、知事の所見を再度伺います。
次に、次世代環境モデル創造戦略に関し、環境配慮契約法への対応について伺います。
環境生活部長から、グリーン購入制度を比較検証するなどして検討するという御答弁をいただきました。
公共部門による買い支えという点に関しては比較検討は可能ですが、そもそも、グリーン購入制度では、電気や省エネ改修が対象となっていません。北海道 は、まさに環境のフロントランナーとして、環境配慮契約を、制度的、体系的に導入すべきと考えますが、再度、知事の見解を伺います。
次に、くらし安心・成熟社会戦略のうち、集落対策について伺います。
まず、集落対策を具体化する際、参考にしていただきたい集落があります。鹿児島県鹿屋市の柳谷集落、通称・やねだんです。
やねだんは、人口が285人で、電車もバスも通らない小さな村です。そんなやねだんが、土着菌を活用した、全員参加のサツマイモづくりや、しょうちゅう の販売などで活性化し、アーティストの?TターンやUターンで、ついに、今では315人に人口もふえ、近年は、インドネシアやカンボジアなど海外からも含 めて、年間で4000人以上の視察団が訪れ、にぎわいを見せています。
さらに、やねだんのお年寄りの1人当たりの医療費、介護給付費は、鹿屋市全体の平均より著しく低く、自治のまちづくりが、お年寄りの健康と笑顔につながっているという新聞報道もあったところです。
道議会でも、以前、やねだんへ視察に入られたと聞きましたが、私は、先日、札幌に、やねだんのリーダーである自治公民館長の豊重哲郎さんをお招きし、勉強会を開催いたしました。
やねだん、そして、リーダーの豊重哲郎さんから学ぶことは、集落を再興するには、今の行政のように、福祉だ、農業だ、環境だ、教育だと縦割りではいけない、すべての分野を有機的につなげる総合的な視点が必要であるということです。
集落再生は待ったなしです。道職員はもちろん、自治体職員が地域に積極的に入り、住民との話し合いの場をつくったり、多様な分野のつなげ役になったりする、集落再生に向けた地域リーダー、道職員、自治体職員の人材育成が重要です。
成熟社会のモデルづくりや集落対策に関しては、ただ、調査報告をまとめたりすることにとどまらず、まず、実践モデル地域を開かれた手法で選定し、住民参 加のワークショップなどで、そこに住む人たちがサービスの受け手ではなく、つくり手として、地域の問題解決にみずから取り組む場を道がコーディネートする ことを求めます。
その際には、やねだんのような先進モデル地域と戦略的に連携し、地域リーダー、道職員、自治体職員に対して、さまざまな形で派遣研修を行い、人材育成に取り組むことが重要であると考えます。
しかも、そのときに、新規の予算を要求するのではなく、生涯学習や職員研修など、既存の類似の事業をブラッシュアップしたり組み合わせたりすることで、 まさに総合的に地域の集落対策に取り組むモデルづくりを、道みずからが率先して行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。
次に、成年後見制度への対応について御答弁をいただきましたが、その取り組む視点について再質問をいたします。
新しい成年後見制度は、法定後見と任意後見の二つが併存しております。
法定後見とは、判断能力が十分でない状況に陥った方を保護し、支援するために、本人、親族、市町村長などが家庭裁判所に申し立てをし、成年後見人等が選任され、本人の財産管理や身上監護を行うものです。
任意後見とは、例えば、今は元気でも、あらかじめ万が一のことを考え、支援してくれる人や支援内容を決め、本人と支援者との間で、公証役場において公正証書で契約を結ぶものです。
成年後見制度は、特に北海道においては、潜在的ニーズに比べて、活用が進んでいないと言われており、道の役割も決して明確ではありませんでしたが、この 4月1日から、法改正により、研修の実施など、成年後見制度にかかわる体制の整備が市町村に求められ、道が、助言、その他の援助を行うよう定められたとこ ろです。
さまざまな検証すべき課題もありますが、地域の見守りや日常的な支え合いの体制づくりのためには、成年後見制度の中でも、任意後見契約が重要であると私は考えます。
さらに、任意後見契約には三つのタイプがあり、特に、地域の見守りや日常の支え合いの体制づくりのために重要なのは、任意後見契約と任意代理契約、見守 り契約をあわせて結ぶ移行型であることは、学識経験者、公証人、弁護士、司法書士、行政書士、社会福祉士など専門家の方々の共通認識です。また、実際に結 ばれる任意後見契約の多くは、この移行型と聞いております。
白石区で起こった孤立死の問題を含め、社会とのつながりを失いかけている家族や個人は今後一層ふえ、そのつながりを取り戻す制度の一つとして、成年後見制度は有用であり、実際にその役割を果たすのが、市民後見人を含む成年後見人などなのです。
任意後見契約によって結ばれる、従来の地縁、血縁を超えたつながりは、成熟社会モデルの新たな社会関係資本として、大きな役割を果たす可能性があります。
道としては、市民後見人を養成すると先ほど御答弁がありましたが、任意後見制度、特に移行型の任意後見制度の重要性についての認識と、今後の道の取り組みについて、再度伺います。
最後に、エネルギー政策について再質問します。
脱原発条例で定められています過渡的エネルギーとは、文字どおり、永遠ではないエネルギーということだと思います。にもかかわらず、脱原発の視点に立っ た新エネルギーの利用の拡大や、省エネの具体的な取り組みが加速しないのは、その終わりが決まらないことも一つの要因ではないでしょうか。
ことしの8月に、中央政府が、新たなエネルギー基本計画を定めるものと承知していますが、脱原発条例を有する道として、それを待つまでもなく、道内外にわたって、より明確に脱原発の意思を表明するべきではないかと考えます。
道民の皆さんにさまざまな御議論はあるものの、少なくとも、今後の道内における新規立地はあり得ないことはコンセンサスではないでしょうか。知事及び道議会の責任として、そのコンセンサスを条例の中で明確にすべきではないかと考えますが、知事の見解を伺います。
また、原子力基本法と原子炉等規制法の見直しの原則的な考え方に立ち、40年で廃炉とすれば、泊発電所1号機が1989年、2号機が1991年、3号機が2009年の運転開始であるので、脱原発の最も緩やかな工程表が想定可能です。
条例でその考え方を規定した上で、今後の中央政府の動向を踏まえ、行動計画の中で、可能な限りそれを前倒ししていくという考え方もあると思いますが、改めて知事の見解を伺います。
以上、再々質問を留保して、2回目の質問を終わります。(拍手)

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