活動報告

平成24年第1回定例道議会一般質問 知事・部長第1回目答弁

2012年3月8日

◎(知事高橋はるみ君) (登壇)広田議員の御質問にお答えをいたします。
最初に、行財政改革に関し、まず、消費税の配分割合についてでありますが、社会保障・税一体改革大綱では、消費税5%のうち、地方への配分割合が、地方 交付税分も含め、1.54%とされているところでありますが、この配分割合は、国と地方の協議の場において、社会保障分野における地方単独事業の扱いなど について議論が重ねられた結果、国と地方6団体との間で協議が調ったものであり、地方の主張に一定の配慮がされたものと認識をいたしております。
私といたしましては、地方税の充実強化を図るとともに、地域間の税源偏在を是正することも重要と考えており、全国知事会とも十分に連携を図りながら、地方の実情に沿った税財源の充実に向け、今後とも積極的に主張してまいります。
次に、社会保障制度についてでありますが、今日、我が国は、社会経済が低迷する中、少子・高齢化や核家族化、世代間の不公平、貧困、格差などの問題に直面しており、これらに対応するため、社会保障制度の持続可能性の確保と機能強化が求められているところであります。
こうした中、国においては、本年2月17日に、社会保障・税一体改革大綱を閣議決定し、子ども・子育て新システムや、医療、介護、年金などについて、具体的な改革に取り組むこととなったところであります。
現在、国の社会保障審議会などにおいて、個別分野における制度改革の議論が進められておりますが、子育て、医療、介護などを担う地方自治体の役割は極め て大きいことから、道といたしましては、社会保障の現場を担う地方の意見を踏まえた改革となるよう、引き続き、全国知事会などを通じて、働きかけをしてま いります。
次に、行財政改革に関してでありますが、地方を取り巻く厳しい財政環境の中で、各都府県では、地域の課題や特性に応じた行財政改革に取り組んでいると理解をいたしております。
道では、予算編成や組織編成において、裁量範囲の拡大と責任の明確化を図るなど、各部局におけるマネジメント機能の強化に取り組んでいるほか、五つの戦略ごとに、庁内横断的なタスクフォースを設置するなど、新たな取り組みもスタートさせているところであります。
今後、これらの取り組みの成果を検証するとともに、他府県の実践例も参考にしながら、行財政改革をさらに加速し、道庁の総合力を高めていくよう、私自身が先頭に立ち、リーダーシップを発揮してまいる考えであります。
次に、児童相談所の機能強化についてでありますが、児童相談所は、すべての子どもが、心身ともに健やかに育ち、その持てる力を最大限に発揮することがで きるよう、子どもや家庭を援助する中核的専門機関であることから、その役割を十分に果たすための体制整備が重要であると認識いたしております。
道といたしましては、これまで、児童福祉司など職員の増員を図るとともに、研修の充実により、資質向上に努めてきているところでありますが、近年の、子 どもや家庭をめぐる問題の複雑多様化や、虐待相談を初め、対応が難しい事案の増加を踏まえ、現在、中長期的な視点も含めて、児童相談所のあり方について、 現場の意見を聞きながら、検討を進めているところであります。
今後は、こうした検討結果などを踏まえ、児童相談所の機能の充実に向けて、一層取り組んでまいる考えであります。
次に、観光のくにづくり行動計画についてでありますが、平成24年度を目標とする現計画では、観光入り込み客数など六つの目標数値を設けており、昨年度までの実績では、観光消費額以外の項目については、目標には至っていないところであります。
道といたしましては、平成25年度からの次期計画の策定に当たっては、こうした実績を十分検証するとともに、近年の旅行形態の変化や観光ニーズの多様化 に加え、人口減少社会の到来、アジアの経済成長など、社会経済情勢の変化なども踏まえ、地域における観光消費の拡大や、地域の資源を生かした満足度の高い 魅力ある観光地づくり、さらには、国内外からの誘客などが効果的に進められるよう、観光振興機構との連携のあり方なども含め、検討してまいる考えでありま す。
次に、北海道観光振興機構についてでありますが、観光振興機構においては、これまで、民間ならではの専門性と機動性を生かしながら、本道観光を牽引する 中核組織として、国内外のプロモーション活動や、地域に対するコーディネート機能などを積極的に担ってきたところであります。
しかしながら、長引く景気の低迷や円高に加え、観光地間の競争激化、さらには、昨年の震災などの影響から、入り込み客が伸び悩むなど、本道観光は厳しい状況に置かれております。
現在、観光振興機構においては、公益社団法人への移行に向け、組織ビジョンや体制のあり方などの検討を進めているところでありますが、道といたしまして は、次期計画の策定に当たり、観光振興機構が、本道観光の中核的推進組織として、その果たすべき機能がより一層発揮されるよう、必要な助言を行いながら、 しっかりと連携を図ってまいる考えであります。
なお、行政改革の効果などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
次に、次世代環境モデル創造戦略の展開についてでありますが、この戦略は、環境産業の育成振興、資源の域内循環の推進、すぐれた環境の次世代への継承を柱に、環境と経済が好循環する地域社会の創出を目指すものであります。
戦略の実行に当たっては、庁内の横断的な推進組織であるタスクフォースが、毎年度、施策の立案、実施、評価を行いながら、効果的な取り組みの推進に努めてまいる考えであります。
さらに、地域における展開を進めるため、国や道の施策に関する情報を市町村に対し発信するほか、先導的な取り組み事例に関し、意見交換による情報の共有化を図るなどして、次世代環境モデル創造戦略の展開を促進してまいる考えであります。
なお、環境配慮契約法への対応などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
次に、くらし安全・成熟社会戦略の展開についてでありますが、この取り組みは、かつて経験したことのない人口減少、高齢化のもと、人々が支え合い、だれもが安心して心豊かに暮らすことができる、持続可能な地域社会のモデルづくりを目指すものであります。
議員が御指摘の、地域づくり、人づくりの観点では、支え合いの地域システムの構築に向け、こうした活動を担うNPOなどのネットワークづくりや人材育成などを進めることといたしております。
道といたしましては、こうした方針のもと、庁内の横断的な推進組織であるタスクフォースを中心に、毎年度の重点政策に必要な施策を盛り込むなどして、関連する取り組みの迅速で集中的な推進に努めてまいる考えであります。
次に、成熟社会総合フォーラムについてでありますが、このフォーラムは、社会の高齢化と、個人の長寿化が進む中、人々が支え合い、健康で心豊かに暮らす ことのできる、持続可能な地域社会の実現を目指し、さまざまな分野の有識者の方々による活発な論議を通じて、政策提言をいただくため、昨年10月に設置を いたしたものであります。
これまで2回開催したフォーラムにおいては、各委員から、成熟社会のあり方のほか、福祉や経済、雇用、まちづくりなどを複合的にとらえた論議が必要と いった御意見をいただいているところであり、私といたしましても、成熟社会の実現に向けては、多様な分野にわたる、横断的、一体的な取り組みが重要である と、改めて認識をいたしたところであります。
フォーラムにおいては、今後、より具体的なテーマに沿った論議を進めることとしており、いただいた御意見や御提言については、道としても十分に検討しながら、可能な限り、道の施策や国への提案要望などに反映をしてまいる考えであります。
次に、成年後見制度への対応についてでありますが、この制度は、認知症や障がいにより、判断能力が十分でない方々に対して、本人の権利を守る援助者を選 び、財産管理や介護・福祉サービスの手続などの手助けを行うもので、こうした方々の権利擁護とともに、支援に有効と考えているところであります。
道といたしましては、これまで、市町村に対し、利用の申し立て経費や、後見人等の報酬に要する経費に助成するとともに、事例集を配付し、その取り組みを促すほか、広く道民の方々に対し、シンポジウムの開催などによる普及啓発を行ってまいったところであります。
今後は、高齢者が増加する中、こうした取り組みのほか、成年後見活動を行うNPO法人の立ち上げ支援、弁護士や司法書士などの専門職の後見人以外の市民後見人を養成するなど、制度の一層の利用促進が図られるよう、取り組んでまいる考えであります。
なお、集落対策の取り組みなどについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
最後に、エネルギー政策に関し、省エネ・新エネ促進条例についてでありますが、道といたしましては、脱原発の視点に立って、新エネルギーの利用を拡大す る旨を定めた条例の趣旨を踏まえ、取り組みの指針となる新たな行動計画においては、将来を見据えて、中長期的に持続可能な省エネルギーの実現と、新エネル ギーを主要なエネルギー源の一つにすることを目指しております。
このため、太陽光発電の誘致による多様なプロジェクトの早期実現に取り組むとともに、バイオマスなどを利用したエネルギーの地産地消の推進や、民間活力の積極的な活用による関連産業の振興など、計画達成に向けて、積極的に取り組んでまいります。
なお、省エネ、節電などへの対応については、担当の部長から答弁をさせていただきます。
以上でございます。
◎(総務部長立川宏君) (登壇)行政改革の効果についてでございますが、これまで、道では、厳しい財政状況の中、財政の立て直しや、行政サービスの質の向上などを目指して、さまざまな行財政改革に取り組んできたところでございます。
こうした取り組みの中で、指定管理者制度の導入や市場化テストを実施し、新たなビジネスチャンスの創出や雇用の促進を図るとともに、外部委員による評価を導入した特定課題評価を実施し、政策の質の向上を図るなど、道民の満足度の向上に努めてきたところでございます。
また、毎年度の政策評価や予算編成を通じた施策の見直しにより、財源を確保し、毎年度増加している福祉関係経費への対応などに取り組んできたところでご ざいまして、今後におきましても、こうした取り組みを通じて、財政の健全化、道民の福祉の向上に取り組んでまいる考えでございます。
以上でございます。
◎(総合政策部地域振興監竹林孝君) (登壇)集落対策の取り組みについてでありますが、人口減少や高齢化が進行する中で、集落問題への対応は、地域の活 力を維持していく上で、大きな課題であると認識をしており、それぞれの地域で、実情に即した対策に取り組んでいく必要があるものと考えております。
このため、道では、本年度から、高齢化率が高いなど、集落機能の低下が懸念される集落を対象に、生活実態などの調査を実施するとともに、大学やNPO、 企業などの有識者で構成する北海道集落対策促進会議を設置し、住民生活の確保や人材の育成など、具体的な取り組み方策について検討を行っており、検討結果 につきましては、今後、住民の方々が安心して暮らせるよう、道における対応や地域の取り組みに生かしてまいりたいと考えております。
次に、被災者支援に関し、被災地からの一時避難の受け入れについてでありますが、道においては、被災者が集団で一時的に本道に避難する場合、往復の交通 手段を確保する支援を行っており、夏休み期間中の子どもたちの一時避難を中心に、これまで、2350名の受け入れ支援を行ったところでございます。
子どもたちの一時避難には、こうした道による支援のほか、国内外の支援団体の助成を受けて行われているもの、新しい公共支援事業を初め、国の制度を活用 しているものなど、多様な支援制度を利用して取り組んできたところでありますが、被災地が本格的に復興するまでには、相当な時間を要しますことから、道と しては、今後とも、被災地の状況に応じて、子どもたちの受け入れを支援する必要があるものと考えており、被災県を初め、市町村や関係団体と十分連携を図り ながら、できる限りの支援に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎(環境生活部長山谷吉宏君) (登壇)次世代環境モデル創造戦略に関し、環境配慮契約法への対応についてでありますが、道では、事務事業の環境負荷を率 先して低減するため、これまで、北海道グリーン購入基本方針や、道の事務事業に関する実行計画などを策定し、ハイブリッドカーの導入や、庁舎の省エネ化の 促進などに取り組んできたところであります。
一方、御指摘の環境配慮契約法は、電力購入や省エネ改修など、分野を特定し、契約の際に、価格に加え、環境性能を含めて総合評価を行う、いわゆるプロ ポーザルなどの調達制度でありますが、この仕組みと、道がこれまで取り組んできた、競争入札を原則とするグリーン購入制度を比較検証するなどして、より効 果的な導入のあり方について検討を進め、環境に配慮した取り組みが一層進むよう、努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎(経済部長坂口収君) (登壇)次世代環境モデル創造戦略に関し、環境産業の振興のための資金調達についてでありますが、環境分野への企業の参入を促進するためには、設備投資などに係る円滑な資金調達が重要と認識をしております。
このため、道としては、来年度、道の制度融資におきまして、環境分野を重点分野の一つとして、融資利率を引き下げるなどの優遇措置を講じますとともに、産業支援機関を通じた、民間のファンドとのマッチングなどを行うこととしております。
また、タスクフォースの活用なども含めて、金融機関やNPOなどとの意見交換、情報収集を行いながら、さまざまな資金調達の手法について研究するなどして、環境分野における企業の資金調達の円滑化を促進し、その振興に努めてまいる考えであります。
次に、エネルギー政策に関し、省エネ、節電などへの対応についてでありますが、道としては、この冬の電力の安定供給に万全を期するためには、全道的な取 り組みが必要なことから、みずから率先して行動をいたしますとともに、札幌市を初めとした道内の市町村に対し、省エネ、節電の取り組みの要請を行ってきた ところであります。
こうした取り組みの実効性を高めるためには、それぞれの市町村において、きめ細かく進めることが重要であり、特に、電力の最大消費地である札幌市と、今後、情報交換を密にしながら、効果的な省エネ、節電の取り組みを進めてまいる考えであります。
また、地域において新エネルギーの導入を図るため、送電網の強化などへの支援を国に働きかけますとともに、地域における先進事例の共有化を図るなどして、地域の特性を生かした取り組みの促進を図ってまいる考えであります。
以上でございます。
◎(経済部観光振興監柴田達夫君) (登壇)行財政改革に関し、観光プロモーションなどのあり方についてでございますが、旅行需要が低迷する中で、本道へ の誘客を促進するためには、多様化するニーズに的確に対応した魅力的な商品づくりと、より効果的な誘客施策の展開が必要であると考えております。
このため、道では、来年度において、地域の関係者と緊密に連携しながら、食や文化、産業や体験など、道内各地の多彩な魅力を生かした旅行商品の造成や、 花などをテーマとした広域的な観光ルートの開発など、魅力ある商品づくりに取り組むとともに、家族や夫婦、あるいは若者グループといった、さまざまな階層 のモニターの受け入れを通じて、滞在型観光を積極的にPRすることとしております。
さらに、海外からの誘客については、旅行代理店を対象とした商談会の実施にあわせて、造成された旅行商品の販売を新たに実施するほか、ウエディングなど、テーマを絞った新規市場の開拓に取り組むなど、より効果的な施策の展開に努めてまいる考えでございます。
以上でございます。
◎(建設部長武田準一郎君) (登壇)くらし安心・成熟社会戦略に関し、成年後見制度などについてでございますが、道営住宅における、いわゆる孤立死につ きましては、単身で入居されている高齢者の方が住戸内でお亡くなりになり、その後、親族や団地内の入居者などからの通報により発見されるといった事例があ り、平成22年度では5件となっているところでございます。
成年後見制度につきましては、現在、市町村などが主体となって、利用促進に向けた取り組みを進めていると承知しているところでございます。
道営住宅には、多くの高齢者や障がい者の方が単身で入居されており、自治会を初めとする身近な住民同士がお互いに支え合う地域づくりを進めることは、大 変重要なことであると考えているところでございまして、自治会がこうした制度を活用する場合には、関係する福祉部局などとも連携しながら、必要な協力をし てまいりたいと考えております。
以上でございます。

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