活動報告

平成24年第1回定例道議会 一般質問 ~行政改革 成年後見制度 エネルギー政策

2012年3月8日

◆(36番広田まゆみ君) (登壇・拍手)通告に従い、質問いたします。
まず、税と社会保障の一体改革に関して、中央と地方の消費税配分割合について伺います。
現在議論されている増税分の5%の中央と地方の配分について、増加の一途をたどる社会保障費の財源として、増税分を独占したい中央政府に対し、地方も、 同じ社会保障の担い手として、分配を求めて譲らず、結果として、地方消費税分は1.2%、地方交付税分は0.34%と、現行の消費税の2.18%を下回る こととなりました。
この中央と地方の消費税配分割合について、知事はどのように認識し、評価しているのか、伺います。
また、こうした議論において、どのような役割を果たしたのか、伺います。
次に、具体的な社会保障の中身について伺います。
消費税増税分の使途として、年金、医療、福祉、子育てなど、幅広い世代にわたる社会保障に限定されると理解していますが、この間の議論の中で、雇用対策、職業訓練などに関しての議論などが、国と地方の役割分担の検討も含め、希薄であると私は考えています。
知事は、この一体改革の対象となる社会保障の具体的な中身について、どのように認識し、どのように対応されるのか、伺います。
次に、コンパクト道庁について伺います。
まず、行政改革の効果についてですが、知事は、厳しい財政状況のもと、コンパクト道庁を掲げ、地方の出先機関の統廃合のほか、各部に対しても、一律のマイナスシーリングを実施してきました。
だれがリーダーとなっても、厳しい判断を求められる状況にはありましたが、この間、知事が進めてきた行政改革により、職場のモチベーションの低下など、道民のために働くべき道庁の機能低下は進んでいます。
知事が、今期、五つのタスクフォースを設置されるなど、新たな試みにも挑戦されていると受けとめますが、知事御自身は、この間の行政改革が、本来の行政 改革の目的であると私が考える、道民の福祉の増進、道民満足度の向上などにどう寄与してきたと考えているのか、まず見解を伺います。
次に、コンパクト道庁の組織のあり方についてですが、トップリーダーである知事のマネジメント不足が象徴的であると考える幾つかの点について、知事の見解を伺います。
1点目は、短期的ですが、三重県などに実践例があります、財政課、人事課の廃止についてです。
この間のマンネリ化した行政改革から脱却し、職員の意識改革を促すため、例えば、財政課と人事課の廃止の検討も含めた、大胆な組織のあり方検討が必要だと考えます。
私の印象ですが、道庁の皆さんとの意見交換の中で、財政課は各部任せにする、各部は財政課のせいにするような無責任体質を道庁の中に色濃く感じます。これは、道民にとって不幸です。
財政課、人事課を廃止し、各部の責任を明確にし、また、財政課、人事課を廃止した上で、知事が今回設置されたタスクフォースなどの全庁的な横断組織が機能するとすれば、これまでの、いわばマンネリ化した行政改革に、違う物差しを提示できる可能性があります。
こうした組織文化を変えるためのチャレンジ、改革は、トップの意思がなければできません。
他自治体の実践例の評価、検証も含め、知事の見解を伺います。
次に、児童相談所の機能強化について、知事の見解を伺います。
私は、この間の一律のマイナスシーリングの悪影響が最も色濃く出ているのが児童相談所ではないかと考えます。
議会の責任も大きいですが、児童虐待など、さまざまな事件、不祥事のたびに、その事件に対処する形で、いわば場当たり的、局所的に、児童相談所のあり方について議論がなされてきました。
時として、子どもたちの視点に立った場合に、必ずしも的確な対策がとられていないため、現場に混乱や不信が見られ、少ない人員の中で努力をしてきた職員 が心身ともに疲弊しています。児童相談所の機能強化は、一律のマイナスシーリングの枠を超えて、長期的なあり方検討が必要だと私は考えます。
知事は、児童相談所の機能強化について、どのように認識し、改善に向けて、どのように取り組まれるのか、伺います。
次に、観光振興機構のあり方検討について伺います。
まず、観光振興施策のあり方について伺いますが、私は、北海道の観光政策が観光振興機構にいわば丸投げで、従来型のプロモーション偏重となってきた要因として、入り込み数重視の考え方や、政策指標の設定のあり方が問題であると、この間も質疑をしてきました。
道民のための観光振興施策の検証には、入り込み数の増加よりも、いかに地域にお金が循環するよう地域を支援できたかが重要です。
地域にお金が循環するためには、観光地における土産物の質の向上、地産地消の推進のための食品加工業などとの連携、宿泊数増加のための体験プログラムの開発や優秀なツアーガイドの養成などが求められます。
それを検証する成果指標としては、宿泊数や観光消費額の増加、新たな雇用創出などが重点となるべきであり、その実現のための取り組みが、体系的かつ地域 ごとに戦略的に行われる必要があり、それをコーディネートし、支援するのが、道及び観光振興機構の本来の役割だと考えます。
平成24年度までの観光振興計画においては、観光消費額、食事やサービスの満足度、体験観光を目的として訪れる道外観光客の割合などの指標設定もされており、入り込み数よりも、むしろ、これらの指標が重要です。達成状況はどのようになっているのか、まず伺います。
また、特に、より強化すべきと考える体験型観光に関しては、もともとの指標設定自体が低く、現在の観光振興機構の体制では、強化は困難と考えます。
平成24年度から計画の見直しに入ると承知をしていますが、計画策定に関しての知事の基本的な考え方を伺います。
次に、プロモーションのあり方などについて伺います。
プロモーションについては、観光予算の55.4%が引き続き計上されています。プロモーションのあり方についても、ツアー中心、キャンペーン中心から、 個人旅行などをターゲットとし、あわせて、格安やB級グルメのみならず、付加価値の高い旅行商品の開発も求められています。
来年度においては、どのようにターゲットを絞り、地域と連動して、具体的に、どのようなプロモーションや旅行商品の開発を行う考えか、伺います。
次に、観光振興機構に対する評価と、今後のあり方検討について伺います。
民主党会派の代表質問に対し、従来のプロモーション重視から、着地型観光の旅行商品の開発を重点に、事業の枠組みを変更したとの知事の御答弁でした。
しかし、道の観光振興予算の約6億円の中身を見ますと、3年連続して、5億1700万円という定められた額が観光振興機構分として計上されています。
現場の担当者は、道民のために創意工夫していると信じますが、構造として、道民のための観光振興施策というよりも、観光振興機構ありきの予算編成になっている印象をぬぐえません。
観光振興機構の体制やあり方についての知事の評価と、計画策定とあわせた、今後に向けてのあり方検討の必要性についての考え方を伺います。
次に、次世代環境モデル創造戦略について伺います。
知事は、重点的、加速的に取り組む五つの戦略ごとに、庁内横断組織である五つのタスクフォースを設置されました。私は、特に次世代環境モデル創造戦略に期待をします。
その期待する一つは、本道経済の活性化です。
民主党会派の代表質問でも、知事のこれまでの経済政策、景気浮揚策が、実際の税収増につながっていないことを指摘したところですが、次世代のために、これ以上、環境に負荷をかけずに、本道の経済活性化を推進することが求められます。
一方、一般政策予算が1500億円という厳しい財政状況の中では、施策に限界があり、大規模な投資はできません。
当面は、各中央省庁の、エネルギー政策転換を契機としたさまざまな事業を、単発ではなくて、振興局を含めて、全庁横断的に、川上と川下の連動や、都市と 農山漁村地域のそれぞれの強みと弱みの補完を考えながら、市町村自治体とともに、点ではなく、面として、投資効果を出していくことなどが道庁に求められま す。
政令市である札幌市も含め、先進市町村自治体とも、十分に情報交換や連携を図りながら、タスクフォースを機能させる必要があると考えますが、今後のタスクフォースの展開について、どのように考えているか、まず伺います。
次に、本道経済活性化のための新たな資金調達の手法の検討について伺います。
今後想定される原子力発電の廃止、原油価格の高騰などの状況から、持続可能な本道の経済発展のためにも、再生可能エネルギーによる発電、都市部や工業地帯でのガス発電、コジェネなど、さまざまな事業主体による、新エネ、省エネの取り組みを加速させることが重要です。
7月から導入される固定価格買い取り制度などにより、市場経済の中で、新エネルギー基盤整備が進むことが理想的な姿ではありますが、次世代環境モデル創造戦略のタスクフォースとして、新たな資金調達のあり方についても、重要なテーマとして検討すべきと考えます。
企業局などを事業主体とした自然エネルギー基盤整備に対して、レベニュー債などの導入により、海外も対象にした資金調達の検討や、現在のミニ公募債は、 道有施設の建設などに限定され、短期のものなどの制限があることは承知をしていますが、北海道グリーンファンドの取り組みなどに学びながら、新たな道民ボ ンドの創設など、環境産業に対するベンチャー支援も含め、これまでの枠にとらわれない資金調達の仕組みの検討が必要だと考えますが、見解を伺います。
もう一つは、環境配慮契約法への対応について伺います。
経済と環境は、もはや車の両輪であり、目先の経済成長や短期的な経済利益に目が奪われて、公害対策や廃棄物対策などの追加コストが発生する事態は避けなければなりません。
また、従来型の公共事業への依存が強い本道においては、厳しい財政状況の中にあっても、依然として、一定程度の公共事業投資は避けられない現実があり、環境のフロントランナーとして、北海道は、公共事業、公共契約のグリーン化に率先して取り組む必要があります。
平成19年に施行された環境配慮契約法は、地球温暖化対策を契機として、日本経済の4分の1を支える公共部門が環境配慮製品を買い支えることで、環境配慮型市場への転換を促すことを目的としています。
この法律では、地方公共団体に対し、電力、自動車、省エネ改修、建築物、船舶の調達に際して、環境配慮契約の推進が求められていますが、道としての制度的な対応がおくれています。早急に対応すべきと考えますが、見解を伺います。
3点目に、くらし安心・成熟社会づくりについて伺います。
知事は、くらし安心・成熟社会戦略の目標として、かつて経験したことのない人口減少、高齢社会において、地域のさまざまな人々が支え合い、だれもが安心して心豊かに暮らすことができる、持続可能な成熟社会のモデルづくりに挑戦することを戦略目標とされました。
このタスクフォースにおいては、財政的な制約がある中で、公的責任として、医療、保健、福祉などで道が果たすべき役割を明確にしながら、新しい公共のあ り方や、地域づくり、地域再生における、生涯学習、社会教育の役割なども含め、地域の力をより高めるよう、現状の施策の見直し、検証とあわせ、協議される べきと考えます。
私は、この間、何度か質疑をさせていただいておりますが、例えば、道立市民活動センターや道立生涯学習センターの役割を見直し、住民自治の観点から、地 域の相談拠点や、地域再生を担う人材育成の体制整備に重点を置くなど、地域にこだわる知事の姿勢を、形として明確にすることも必要ではないかと考えるとこ ろです。
知事としては、このタスクフォースを今後どのように展開される考えか、まず伺います。
次に、成熟社会フォーラムの取り組みについて伺います。
成熟社会フォーラムが設置され、広範囲にわたる協議がされていると承知をしていますが、現在の検討状況と、今後、どのように施策に反映していく考えか、伺います。
次に、集落対策の取り組みについてですが、知事は、持続可能な成熟社会の構築のため、地域の実情を踏まえた、限界集落などの対策促進に向けた具体的方策の推進や支援を掲げていますが、現在の取り組み状況と、今後の対応を伺います。
次に、成年後見制度について伺います。
私の地元・札幌白石区を初め、全国で孤立死という悲しい事件が起き、私としても、責任の一端を感じているところです。
くらし安心・成熟社会戦略の中でも、見守りや日常的な支え合いの体制づくりが戦略として掲げられています。その体制づくりの一つとして、私は、成年後見制度の活用が有効ではないかと考えます。
この間、保健福祉常任委員会でも質疑をさせていただいていますが、障がい、高齢の別なく、また、新しい公共の観点からも、より積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
成年後見制度の、道営住宅におけるモデル事業の実施について伺います。
白石区での孤立死の問題は、福祉の問題であると同時に、都市の集合住宅が抱える問題です。今後、特に都市部においては、単身世帯の激増が予想され、従来の地縁、血縁ではない、新たなきずなが地域社会に求められています。
これからの道営住宅に求められる役割は、ただ、安価な住宅の提供だけではなく、成熟社会の住まい方、支え合いのモデルを地域社会に提示することも求められているのではないでしょうか。
今後、単身世帯が激増することも予想されるため、私は、成年後見制度、特に任意後見制度の活用について、道と、司法書士会、行政書士会などの専門家と、団地自治会が協働してモデル的に取り組むべきと考えます。
道営住宅における孤立死の状況と、これからの道営住宅の役割、今後に向けた取り組みの考え方を伺います。
次に、被災者支援について伺います。
私は、1月30日と31日に、全国災害ボランティア推進議員連盟の視察研修で、おくればせながら、福島の現地に行ってきました。
福島の現地の方が、全国の皆さんの前で発表されたことは、北海道が実施してきた、福島の子どもたちの一時避難の受け入れ支援についての感謝でした。
放射能汚染の恐ろしさは、長期にわたること、空気のように目に見えないこと、学者を含めて諸説が分かれていることですが、そのため、例えば、食卓を囲ん でも、子どもに何を食べさせてよいのか、子どもをどこで遊ばせてよいのかと、家族や地域の中でいさかいになったり、自然や体への影響のみならず、家族の心 やコミュニティーもばらばらになる現状を現地で実感してきました。
そんな中、たとえ、2週間から1カ月程度の短い期間であっても、子どもたちあるいは親子が、何も気にせず、空気が吸えて、広い野山で遊べて、草木に触れることができる北海道のすばらしさ、北海道の人の温かさについて、高い評価をいただき、北海道に帰ってまいりました。
被災者支援も2年目を迎えようとしています。道としては、市民団体とも連携しながら、日々変わる被災者の皆さんのニーズに合った支援となるよう、取り組 まれていることは承知をしていますが、今回の予算編成では、子どもたちの一時避難受け入れのための支援事業が縮小となったため、福島の現地や被災地支援を しているNPOから不安の声が届いています。
被災地の子どもたちの長期的な一時避難受け入れ支援の必要性について、知事の認識をまず伺います。
また、厳しい財政状況の中、持続可能な事業とするためには、財源についても、中央省庁の制度の活用、要望や、観光振興、集落対策などの道の施策とも連動 し、受け入れ主体のNPOなどと協議しながら、被災地の子どもたちの一時避難や保養を継続実施するための、道民参加の基金の創設など、幅広い検討がされる べきと考えますが、あわせて見解を伺います。
最後に、エネルギー政策について伺います。
まず、電力不足対策についてですが、知事は、泊発電所3号機が定期点検に入れば、ピーク時には、供給が32万キロワット不足すると述べられています。
電力不足を理由とした、なし崩し的な再稼働はあり得ず、また、再稼働に当たっても、道民合意など、クリアしなければならないハードルは高い中で、原子力発電に全く頼らずに、道内の電力を安定的に供給する責任が、電力会社と道に求められています。
この予想される電力不足に対する危機感と、具体的な取り組みが、残念ながら、知事及び道には感じられません。
前回の一般質問でも伺いましたが、例えば、北海道の電力消費の5割を占めると言われる札幌市と、道は、節電、省エネに関する具体的な協議に入るべきと考えますが、その後、どのように取り組んでいるのか、伺います。
また、例えば、重工業地帯の苫小牧や室蘭、中核都市の旭川や函館など、地域ごとに、地域間連携や送電網対策なども含め、対策が講じられるべきであると考えますが、道としては、どのように取り組んでいるのか、見解を伺います。
次に、脱原発条例について伺います。
今議会において、他会派の代表質問でも、省エネルギー・新エネルギー促進条例を脱原発条例と明確に位置づけ、脱原発の実現に向けた、省エネルギー・新エネルギー促進行動計画での明確な数値目標と工程表の策定が求められたと認識しています。
今、改めて、北海道の省エネルギー・新エネルギー促進条例の先見性と意義が確認されるところであります。私は、福島の原発事故を受け、さらに明確な脱原発を目指す条例として、より強化すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
再質問を留保して、1回目の質問を終わります。(拍手)

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