人口3万人以下の自治体にもオンラインで世界とつながる学びの場を~2022年政経セミナー報告その2
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みなさん、こんばんは。相変わらず、ご近所銭湯生活に復帰していない、それどころか、最近不眠気味な広田です。なんでも、古代ローマでの公衆浴場は極めて政治的な場所でもあったそうな。できることなら、地球銭湯会議でも開催して、「今そんなことしてる場合かしら?」と、各国首脳に、やさしくツッコミをいれてみたい。こんなことをちょっと妄想したら、少し元気がでましたので、2月22日に開催した政経セミナー(北海道未来セミナー)の報告その2をブログで紹介します。
2月22日に講演いただいた新井和宏さんのお話はこちらをどうぞ。今日は、新しい「学び」の選択肢のお話です。
“あしたの寺子屋”って知っていますか?
オンラインで人と地域をつなぎ、格差をなくす寺子屋です
あしたの寺子屋とは、簡単に言うと、オンラインで結ばれる「寺子屋」です。嶋本勇介さんが設立しました。2019年夏に札幌へUターンし、様々な教育事業に関わる中で創業されたそうです。
このセミナーの以前に、嶋本さんには、コミュニティFMでインタビューさせていただいことがあります。札幌にUターンしてから、創業にいたるまでの経過などはこちらをどうぞ。
最近、オンラインやICTの活用が叫ばれますが、一部では、それこそ、オンラインが目的化してしまっているように危惧することもあります。
しかし、嶋本さんがめざす世界は、「1000カ所の寺子屋で、教育の地域間格差を解消し、どの地域に生まれた子どもでも未来を拡げられる世界」。
あくまで、人と地域をつなぐ、そして、学びの機会における都市と地方の地域間格差をなくすための道具としてオンラインを活用するということが明快なので、私はとても期待しています。
あしたの寺子屋という「株式会社」の存在が地域のお金の流れを変えるかも
また、もうひとつの特徴は、株式会社であるということです。
日本全国に自治体は約1700カ所ありますが、そのうち1000カ所は、3万人以下の自治体になります。3万人以下になると、いわゆる民間の塾は、ほとんど参入しないというのが実情だそうです。嶋本さんは、学校や、家庭以外のこどもの居場所は必要であり、その場所をつくりたいと考えています。さらに、それは、地域のなかだけに閉じた空間ではなく、オンラインというツールを使って、全国、外の世界につながっていくイメージです。
具体的には、「学習サポート」「全国の人たちとのオンライン交流」「地域での職場体験・探求学習」「全国の寺子屋合同授業(実際にカンボジアなどでの商品開発なども体験)」などをこどもたちが体験できます。
株式会社ですから、非営利ではなく、利用者さんからの費用をもらっています。さらに、今後は、地域の自治体や、企業などとも連携して、利用者負担を軽減するような持続可能なしくみにするにはどうしたらよいのかというのが課題だそうです。嶋本さんによると、江戸時代には、15,000カ所の寺子屋が全国にあったとか。コミュニティで、あるいは、共助で、こどもたちの学びを大事にする文化はもともと日本には存在していたのです。
学びの場をとおして、地域やコミュニティがより有意義に持続可能につながるきっかけとなるといいですね。新井和宏さんからは、お金の話、教育の話を、行政主導で他人事にせず、じぶんごととして解決していく、住民自治の幅を広げていくしくみもとても大切だとのお話もありました。
嶋本さんは、今年2022年のテーマとして、可能な限り179の市町村全部に足を運びたいというお話もされていましたのでご関心ある方は公式サイトからお気軽にお問い合わせくださいね。また、あしたの寺子屋に関するオンライン説明会が定期的に開催されています。ご関心ある方はそちらも是非!
北海道美幌町でオンライン寺子屋がすでにスタートしています。
さらに、2月22日のセミナーでは、ケーススタディとして、美幌町の「あしたの寺子屋ALOPスクール」の花田翔二郎さんから現状と課題のお話もありました。
新井和宏さんからは、例えば、企業に寄付や協賛をいただく、いわば一方的な関係は持続可能ではないかもしれない。企業にとって、こどもたちは、将来の従業員かもしれないし、企業のみなさんと白紙のところからいろんな意見を出し合う場などをつくっていくことも必要ではないかとの提言がありました。
「実際に、ニセコ町においても、共感コミュニティ通貨eumoの加盟店さんを増やす取り組みをしながら、賞味期限のあるお金の1%がこどもたちのために使われるというその使途についても、地域のみなさんと相談していこうとしていること。行政については、あくまで側面支援のスタンスで、ニセコのお店の方たちが、自ら、eumoを使ってくださいと主体的に行ってもらえる関係性をどう築いていくのか大事である。」
そして、eumoアカデミーという研修プログラムがあり、実際にeumoという通貨を活かしていくためのコミュニティデザインを学ぶしくみがあることも紹介されました。花田さんがもし参加されたら、その途中経過も含めて、みなさんで応援していきたいですね。私は、美幌町という林業が浮かぶのですが、森づくり、人づくりとあわせた、こどもたちの学びのしくみが、確立されたらとっても素敵だと思います。
北海道未来セミナー毎月22日開催です
最後まで読んでくださってありがとうございます。2月は、政経セミナーとしても開催しましたが、毎月22日は北海道未来セミナーとして、北海道を中心に1人でも多くのみなさんと共通言語や共通認識を増やしていくような学びの場をつくろうと考えています。
3月22日は、「マネジメントとは何か?~行政組織におけるマネジメントとは」と題して、ドラッカーの実践研究の佐藤等先生と自治体改善マネジメント研究の元吉由紀子先生の講演と対談を予定しています。是非、ご参加ください。
私のSNSなどでも、セミナー情報は発信しますので下記のSNSもフォローよろしくお願いいたします。
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この記事の投稿者
広田まゆみ
函館生まれ札幌育ち。現在は、白石区在住で、北海道議会議員として活動中。
札幌市立向陵中、札幌西高、北海道大学を卒業後、北海道庁職員として、日高管内浦河町で生活保護のケースワーカーが最初の仕事です。
その後、労働組合の女性部長なども経験し、自分探しが高じて、11年務めた道庁を退職。
空知管内の雨竜町に移住します。
約8年、農家民泊や、農作業ボランティアのコーディネートなど都市と農村の交流を推進するNPO活動に従事した後、道庁の労働組合時代のご縁で、政治の道を選びました。
だいたい10年ごとに大きな転機があった私ですが
これからの人生の時間は、社会企業家的地方議員を100人つくることをはじめ、こどもたち、若い人たちを応援することに集中したいと思っています。
プライベートでは、気ままなひとり暮らしを満喫中。
大の温泉、銭湯好き。
チャンスがあれば、エネルギー独立型のエコ銭湯を経営してみたい。
完全なワーカホリック、働きすぎ人間ではありますが、最近は、ヨガにはまっています。
地域のヨガサークルで週1回教えられるような70歳になってたら嬉しいですね。
他には、着物、ヨガ、旅、ハガキ絵、「館」めぐり、そして、やっぱり、北海道の未来のために働くことが大好きです。
ドラッカー読書会FT。91期エクスマ塾生。