地方議会非常事態宣言?!~ コロナ禍で議会はなにができたのか
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みなさん、こんばんは!
今日は、銭湯にゆっくりつかって絶好調!
お風呂大好き!銭湯で地球を元氣にしたい
北海道議会議員の広田まゆみです。
この勢いで、がんばって13日土曜日開催された
ローカルマニフェスト推進連盟のオンライン研修会
第二回:2020年06月13日(土)=NEW=
「コロナ禍で議会はなにができたのか/なにをなすべきか」
について報告します。
今回のテーマは、
非常事態における議会のあり方の検証です。
地方から日本を変える
はじめに、この会の創設者でもある
北川正恭・早稲田大学マニフェスト研究所顧問(元三重県知事)から
ご挨拶がありました。
北川先生は、とにかく、議員も自治体も
善政競争をしよう、そして、良い事例は「徹底的に真似する」
地方から日本を変えようと提唱し続けていらっしゃいます。
二極化した地方議会の対応
講演は、江藤俊昭・山梨学院大学教授です。
お話、レジュメから抜粋して情報共有します。
江藤先生からは、
コロナウイルス感染症対策のさなかで、
二極化した議会の対応が指摘されました。
冷静に対処した地方議会の事例
従来から、議会BCP計画やオンライン議会などに取り組んできた地方議会は、
傍聴者への対応や、一般質問を取り下げたとしても、
議案審査を充実させる次善の策を講じたり、
可能な限り、専決処分を回避、縮小するなど、危機に冷静に対処してきた。
議会として、住民にどう向き合うかを検討した議会もあった。
先進の地方議会の事例の1つ目に
4月臨時会で、観光振興関連のコロナ補正予算を
議会として修正可決した沖縄市議会の事例が報告
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/563630
※沖縄市議会は、本来は、地方議会として望ましいとされる
首長の「与党」「野党」が拮抗する構図ではなく、
是々非々の中立派がキャスティングボートをもっているため、
補正予算の修正可決などは、異例ではないという前提がある。
2つ目は専決処分を可能な限り圧縮させた武蔵野市議会から報告。
議会基本条例を根拠に、議会BCPを機能させ、
緊急事態宣言下では、
四者(議長、副議長、議運委員長、議運副委員長)と
議会事務局長、議会事務局次長の6人で
週に2、3回オンライン会議(時によって副市長も参加)
※対策本部には、議会事務局長が位置づけ。
また、5月に2回の臨時議会を設置。
特別定額給付金に関する補正予算も、
専決は事務経費の約1億円のみとし、
臨時議会にて審議、可決。
「専決処分」が多くの自治体で行われた
一方で、危機に右往左往した議会は、
一般質問の中止、傍聴の中止を議論なく行ったり、
「専決処分」を議長自ら申し出た議会もあったそうだ。
専決処分とは、本来、議会の議決・決定を経なければならない事柄について、
地方公共団体の長が地方自治法の規定に基づいて、
議会の議決・決定の前に自ら処理することをいう。
北海道においても、臨時会を開催すべきとの声もあったが、
休業要請延長に対する支援金の約48憶円が
残念ながら、専決処分とされました。
危機における専決処分の条件と想定される議会の対応
〇議会が開催されない
→東日本大震災を想定すれば可能性はある。
出席可能な議員による「議会らしきもの」の開催は可能。
議会事務局職員の被災も想定し、執行機関からの支援も必要。
〇特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが
明らかであると認めるとき
→原則として開会前、7日(都道府県、市)、3日(町村)までに
告示することになっている。(必ずしもではない)
※ウェブ議会の可能性を法律上も、あるいは運用でも
可能とするよう議論するべきだ。
〇議決しない
継続審議が妥当。
首長主導政治の課題
危機状況では、政策実施の実質的なスピードが重視されます。
経済的な支援を1日も早く求める声も多かった。
特に、今回のコロナ対策では、首長の行動力、発信力が注目されました。
統括代表権者(自治法147)、執行機関の長(自治法148、149)
(課題はありながらも)専決処分権者(自治法179)として、
予算調製・提出権(自治法149)を有するものとして
首長主導の政治がクローズアップされた。
しかし、規制と経済政策とのバランスや、財政状況などの検証が必要で、
説明責任を伴っていない。
北海道においても、第一次の対策が、第1回定例会で約277憶円(一般質問取り下げ)
第二次の対策が専決処分で約40億円(専決処分)
そして、来週6月16日から開会予定の第2回定例会で、約300憶円の補正予算が
提案される予定だ。
すでに観光振興の予算などに課題も見えており、
緊急事態宣言も解除となったので、十分に議論をつくしていきたいが、
緊急事態宣言前や、そのさなかの対応には課題、再検証が必要だろうと思う。
特に、専決処分に関して、
専決か、臨時議会かという選択肢しかないのは、
広域分散型の北海道の状況にはあわない。
現在、検討が進められているオンライン化の際に、
ペーパーレスだけではなく、非常事態のあり方についても
平時に検討しておく必要がある。
これからどうするか
続いて、清水克士・大津市議会局長から
感染症対策を想定した議会BCPのバージョンアップについて
岩崎弘宜・取手市議会事務局次長から、
オンライン議会へのチャレンジと、
そのための法制度整備の必要性などについて
報告があった。
まさに議会の二極化が進んでいる。
北海道議会においても、少なくとも、議会BCPは必要だろう。
また、江藤先生から、アフターコロナ以降も
各自治体では、同じ総合計画でよいのか、
見直しも必要ではないかとの指摘が印象的だった。
久しぶりにローカルマニフェスト推進連盟の研修会に参加して、
良い刺激をいただきました。
このシリーズの最終回の第3回目は、
7月1日(水)14:00からに予定されています。
是非、議会とは何か、何であるべきかという問と
善政競争の実践に参画したい方はご参加くださいね。
この記事の投稿者
広田まゆみ
函館生まれ札幌育ち。現在は、白石区在住で、北海道議会議員として活動中。
札幌市立向陵中、札幌西高、北海道大学を卒業後、北海道庁職員として、日高管内浦河町で生活保護のケースワーカーが最初の仕事です。
その後、労働組合の女性部長なども経験し、自分探しが高じて、11年務めた道庁を退職。
空知管内の雨竜町に移住します。
約8年、農家民泊や、農作業ボランティアのコーディネートなど都市と農村の交流を推進するNPO活動に従事した後、道庁の労働組合時代のご縁で、政治の道を選びました。
だいたい10年ごとに大きな転機があった私ですが
これからの人生の時間は、社会企業家的地方議員を100人つくることをはじめ、こどもたち、若い人たちを応援することに集中したいと思っています。
プライベートでは、気ままなひとり暮らしを満喫中。
大の温泉、銭湯好き。
チャンスがあれば、エネルギー独立型のエコ銭湯を経営してみたい。
完全なワーカホリック、働きすぎ人間ではありますが、最近は、ヨガにはまっています。
地域のヨガサークルで週1回教えられるような70歳になってたら嬉しいですね。
他には、着物、ヨガ、旅、ハガキ絵、「館」めぐり、そして、やっぱり、北海道の未来のために働くことが大好きです。
ドラッカー読書会FT。91期エクスマ塾生。