【議会活動報告】副首都を札幌への新たな一極集中で終わらせない!2つの委員会で考えた北海道の分散と地方分権
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副首都を、札幌への新たな一極集中で終わらせない
―2つの委員会で考えた北海道の分散と地方分権
10月1日、北海道議会の2つの委員会で質問しました。
一つは総合政策委員会。
もう一つは、人口減少問題・地方分権改革等調査特別委員会です。
今議会では「副首都」が大きな論点になっています。
ただ、私は、副首都という新しい制度だけを切り取って議論するのではなく、北海道がこれまで積み重ねてきた政策を振り返り、その成果と課題を踏まえて、これからの北海道の姿を考える必要があると思っています。
今回、2つの委員会で共通して考えたのは、
東京一極集中を是正すると言いながら、札幌への新たな一極集中をつくるだけでよいのか。
ということでした。
総合政策委員会――北海道バックアップ拠点構想を改めて検証
総合政策委員会では、東日本大震災を契機に北海道が策定した「北海道バックアップ拠点構想」を取り上げました。
北海道はこれまで、首都圏の機能を補完し、多重・分散型の国土形成を進めることを目指してきました。
答弁では、アクサ生命の本社機能やANAの運行管理機能の一部移転、データセンターの立地など、これまでの成果が示されました。
また、直近10年間の企業立地は945件、道が把握するデータセンターは48か所との答弁もありました。
もちろん、企業立地が進むこと自体は重要です。
ただ、私が確認したかったのは「何件立地したか」だけではありません。
企業立地が増えたことと、北海道全体に機能が分散したことは同じではない。
ということです。
札幌や道央圏に機能が集中しているのであれば、東京一極集中を是正する一方で、北海道の中に新たな一極集中をつくることにもなりかねません。
札幌が被災したときには、道内のどの地域がその機能を補完するのか。
企業活動、行政機能、データ、物流、食料、エネルギーを、平時からどのように複線化しておくのか。
そこまで具体的に考えてこそ、本当の意味でのバックアップではないでしょうか。
食料自給率の高さだけで「安心」と言えるのか
北海道の強みとして、食料自給率の高さも挙げられています。
しかし、私はここでも、少し立ち止まって考える必要があると思っています。
北海道で食料を生産できても、肥料や飼料、燃料、農業資材などを海外に大きく依存していれば、非常時に生産を続けられるとは限りません。
つまり、
「食料自給率が高い」ことと、「非常時にも食料生産を継続できる」ことは同じではありません。
北海道が国のバックアップ機能を担うのであれば、生産量だけでなく、生産を支える資材まで含めた「継続力」を検証していく必要があります。
バックアップされる側との連携も必要
また、副首都をめぐって大阪などとの連携が議論されていますが、私は、本来バックアップされる側である東京都や首都圏とも、平時から具体的な協議を進める必要があると考えています。
災害が起きてから、
「北海道で何を引き受けられるのか」
と考えるのでは遅い。
平時から、
「どの機能を北海道が担うのか」
「北海道のどの地域がそれを担うのか」
を話し合っておくことが重要です。
副首都に指定されること自体を成果にするのではなく、東京に集中している機能が実際に分散し、災害時にも国家・社会機能を維持できるのか。
そこまで具体化してこそ、「北海道らしいバックアップ」になると指摘しました。
人口減少・地方分権の特別委員会――道州制特区20年を振り返る
もう一つの委員会では、北海道が約20年間取り組んできた「道州制特区」を取り上げました。
北海道はこれまで、国に対して33件の提案を行い、このうち28件について何らかの対応が行われています。
その中には、北海道への権限移譲だけではなく、北海道からの提案を契機に全国的な制度改正につながったものもあります。
道からも、
「地域の声が国の政策に反映され得ることを実証できた」
との認識が示されました。
これは、道州制特区の一つの大きな成果だと思います。
国から制度が降りてくるのを待つだけではなく、地域から課題を提案することで、国の制度そのものを動かせる場合がある。
この経験は、これからの地方分権を考える上でも重要です。
北海道の地域特性を生かす制度には限界も
一方で、実現しなかった提案もあります。
特に私が興味深いと思ったのは、観光分野です。
北海道は、特定免税店制度や国際観光振興のための特別地区など、北海道の観光という地域特性を生かした制度を提案しました。
沖縄では、沖縄振興特別措置法という特別法に基づき、地域特性に応じた独自の制度が設けられています。
しかし北海道では、道州制特区として同様に地域特性を生かそうとしても、北海道が求めた形では実現しませんでした。
地域の特性を生かすための特区でありながら、北海道固有の制度は実現しにくい。
そこには、制度としての限界があったと言わざるを得ないと思います。
北海道のように広域で、地域ごとの条件も大きく異なる自治体にこそ、地域の実情に応じて制度を選択できる仕組みが必要ではないでしょうか。
「副首都」を札幌への新たな一極集中にしない
人口減少が進む中、これからの地方分権は、
「国から道へ」
「道から市町村へ」
と権限を移せば終わり、という話ではありません。
市町村によって人口規模も職員体制も財政状況も違います。
市町村単独では維持が難しい行政サービスも増えています。
だからこそ、道、市町村、振興局、市町村同士が、それぞれの役割を担い、補完し合う仕組みが必要です。
副首都をめぐる議論についても同じです。
東京への一極集中を、札幌への新たな一極集中に置き換えるだけでは、北海道全体の持続可能性にはつながりません。
札幌の機能強化を、道内各地域の役割や機能の強化につなげる。
そのためには、本庁と振興局の役割分担や行政機能の配置についても、改めて考えていく必要があります。
人口減少やICTの進展を考えれば、
「本庁機能は札幌にあるもの」
というこれまで当然としてきた前提自体も、将来的には検証の対象になり得るのではないか。
もちろん、直ちに本庁をどこかへ移転すべきだという話ではありません。
どの機能を、どこで担うことが、道民サービスや地域の自立、災害時の業務継続、北海道全体の持続可能性にとって最もよいのか。
固定観念にとらわれず考えていく必要がある、という問題提起です。
「平時からつながる」ことも分散の一つ
今回の質問では、人や地域のつながりについても取り上げました。
例えば下川町では、首都圏の地域との交流を長く続けています。
また、東京の早稲田商店会では、かつて「震災疎開パッケージ」として、災害時の避難と平時からの地域交流を組み合わせた取組が行われていました。
現在では、二地域居住や、住所地以外の地域との継続的な関係を可視化する「ふるさと住民登録制度」も進められています。
災害が起きてから初めて別の地域とつながるのではなく、
平時から複数の地域との関係を持っておく。
これも人口減少への対応であり、危機管理でもあります。
人、企業、行政機能が一か所に集中するのではなく、複数の地域とつながり、必要なときには互いに支え合う。
私は、これも「北海道らしい分散」の一つの姿だと思っています。
これからの地方分権は「再配分」と「保全」まで
そして、最後に指摘したのが、これからの地方分権のあり方です。
これまで地方分権といえば、
「国から地方へ権限を移譲する」
「規制を緩和する」
という方向が中心でした。
しかし、人口減少が進むこれからの時代、それだけでは足りません。
地域の人口や職員体制によっては、担いきれない権限を返上したり、道や複数の市町村で担い直したりする必要もあります。
一方で、人口が減少する地域には、森林、水、農地、生物多様性など、北海道にとって大切な自然資本が残されています。
それを次の世代へ引き継ぐためには、地域の実情に応じて、むしろ規制を強化することが必要な場合もあります。
そこで最後に、
これからの地方分権は、「移譲」と「緩和」だけではなく、「再配分」と「保全」まで含めて考える必要がある。
と申し上げました。
副首都を、北海道全体を考える契機に
副首都については、これから中央政府の制度設計が進んでいきます。
しかし、制度が明らかになるまで北海道は何も考えられない、ということではありません。
北海道には、バックアップ拠点構想や道州制特区など、これまで積み上げてきた経験があります。
その経験を検証し、
人をどう分散するのか。
企業や行政機能をどう配置するのか。
土地をどう使うのか。
自然資本をどう守るのか。
札幌と道内各地域がどう支え合うのか。
北海道自身が考え、必要な制度を中央政府に提案していく。
副首都を、札幌への新たな一極集中で終わらせず、分散型で持続可能な北海道を考える契機にしたい。
今回の2つの委員会では、そんな問題意識から質問しました。
詳しい質疑・答弁は、こちらの公式サイトからご覧いただけます。
総合政策委員会
https://hiromaru.jp/wp_hiromaru/wp-content/uploads/2026/10/20261001_001.pdf
人口減少問題・地方分権改革等調査特別委員会
https://hiromaru.jp/wp_hiromaru/wp-content/uploads/2026/10/20261001_002.pdf
今後も、今回の答弁を踏まえながら、さらに議論を深めていきたいと思います。
長文を最後まで読んでいただいてありがとうございました。
北海道の未来のために、ともにがんばりましょう!
この記事の投稿者
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広田まゆみ
函館生まれ札幌育ち。現在は、白石区在住で、北海道議会議員として活動中。
札幌市立向陵中、札幌西高、北海道大学を卒業後、北海道庁職員として、日高管内浦河町で生活保護のケースワーカーが最初の仕事です。
その後、労働組合の女性部長なども経験し、自分探しが高じて、11年務めた道庁を退職。
空知管内の雨竜町に移住します。
約8年、農家民泊や、農作業ボランティアのコーディネートなど都市と農村の交流を推進するNPO活動に従事した後、道庁の労働組合時代のご縁で、政治の道を選びました。
だいたい10年ごとに大きな転機があった私ですが
これからの人生の時間は、社会企業家的地方議員を100人つくることをはじめ、こどもたち、若い人たちを応援することに集中したいと思っています。
プライベートでは、気ままなひとり暮らしを満喫中。
大の温泉、銭湯好き。
チャンスがあれば、エネルギー独立型のエコ銭湯を経営してみたい。
完全なワーカホリック、働きすぎ人間ではありますが、最近は、ヨガにはまっています。
地域のヨガサークルで週1回教えられるような70歳になってたら嬉しいですね。
他には、着物、ヨガ、旅、ハガキ絵、「館」めぐり、そして、やっぱり、北海道の未来のために働くことが大好きです。
ドラッカー読書会FT。91期エクスマ塾生。


